「ありかも、BYD!」

「Build Your Dream」の頭文字を組み合わせた名の中国EVメーカー「BYD(比亜迪)」は、「ありかも、BYD!」とほほ笑む長澤まさみさんの高い好感度のおかげで、日本で知られ始めている。

長澤まさみさん 写真/共同通信社
長澤まさみさん 写真/共同通信社

2024年4~6月に展開されたこの広告は、2024年度上半期CM指名検索スコアランキング(ノバセル株式会社による調査・発表)で第3位に入るほどの高い注目を集めることに成功した。

広告展開前には約20%だったBYDのブランド認知度は、2倍の約40%に急上昇すると予測されており、ディーラーへの来店客数や販売台数も増加傾向にある。※1

大きな成果をあげた広告は9月から再展開されているが、中国メーカーの品質を不安視する声も大きく、賛否を含めた注目になっている。

客観的な事実として、BYDは中国国内の熾烈なEV競争を勝ち上がり、欧州への本格進出も進めるなど、EVの本命と言える存在だ。

「中国のあやしいEVが日本に来た」といった印象を抱いているとしたら、それは大きな誤解であることは強調したい。事実、世界のEV市場ではアメリカのテスラと中国のBYDが激しい首位攻防戦を繰り広げている。

さらに、円安の影響もあり2024年4〜6月の連結決算が1兆3084億円と同時期では過去最高益を記録したトヨタでさえ、中国市場では売り上げを伸ばせておらず、BYDの好調ぶりに手を焼いているのだ。