「彼は何のお咎めもなしに静かに死んでいったのです」

声明では、アルファイド氏が経営権を持っていたのは1985年から2010年の間であり、現在のハロッズはそれとは異なり、従業員の福祉をあらゆる活動の中心に据えることを目指しているとした。また、被害を受けた従業員らの相談窓口も設けている。

〈過去を取り消すことはできませんが、私たちは、現在私たちが抱いている価値観に基づいて、組織として正しいことを行なう決意を固め、将来このような行為が繰り返されないように努めています〉

イギリス最大の老舗高級百貨店「ハロッズ」(公式Facebookより)
イギリス最大の老舗高級百貨店「ハロッズ」(公式Facebookより)
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数十人にも及ぶ被害女性の代理人弁護士らが翌20日金曜日、ロンドンで記者会見を開いた。代理人弁護士は、アルファイド氏のことを「怪物」と表現。今回の女性に対する性的暴行は児童への性的暴行で有罪となった実業家のジェフリー・エプスタインなどの事件に匹敵すると主張した。また、他にも多くの被害者がいる可能性があると話した。
ハロッズで働いている従業員はこう話す。
 

「私が働き始めたのはアルファイド氏がいなくなった後ですが、女性従業員への性的暴行被害について当時から話題にはなっていたり、一部メディアで報道されていたりしました。しかし彼の権力が働いたのか逮捕されることもなかった。彼は何のお咎めもなしに静かに死んでいったのです。

現在の社内は想像よりも静かで、従業員たちは普通に働いています。事件が解決することを祈っています」

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取材・文 集英社オンラインニュース班