イスラエル軍が、ハマスの戦闘員とイスラエル人の人質を一緒に銃撃して殺害した

米国、英仏独、日本など「西側主要国」は、ハマスによる民間人殺害をテロとし、イスラエルの「自衛権」を認めるとしてガザ攻撃を支持した。しかし当初、1400人の市民が殺害されたとイスラエルが発表したハマスの攻撃の中身は、時間経過とともに変化した。

イスラエルは攻撃から約1か月後の11月10日に、死者数を1200人と下方修正した。死者の中に200人余りのハマス戦闘員が含まれていたという。

イスラエルメディアによると、12月初めまでイスラエル当局は1133人の死者を確定、死者は兵士274人、警察官57人、地域の治安関係者38人で、残る764人が民間人と認定した。

さらに、イスラエル軍による制圧作戦に巻き込まれ、かなりの数のイスラエル市民がハマス戦闘員とともに殺害されたことが、警察発表やメディア報道で明らかになってきた。

襲撃で生き残ったユダヤ人女性から「駆けつけたイスラエル軍が、ハマスの戦闘員も、イスラエル人の人質も一緒に銃撃して殺害した」という証言がイスラエルのオンラインラジオのインタビューで流れた。

また、米CNNはイスラエル政府から出た「ハマスが多数の乳児を惨殺した」と報じたが、その後、根拠がないと否定した。イスラエルが主張するハマス戦闘員が多数の女性をレイプしたという情報を裏づける証拠も2024年6月末の時点で出ていない。

ハマスが越境攻撃でイスラエルの民間人を殺害したことは疑いようがないとしても、詳細な事実については戦闘終結後の調査に委ねられる。

10月7日のハマスによる越境攻撃の際、人質にされたイスラエル人たち 写真/shutterstock
10月7日のハマスによる越境攻撃の際、人質にされたイスラエル人たち 写真/shutterstock