読書感想文はやらなくてもいい! 代用課題は習字

「まず宿題の量ですが、確かに昔に比べたら減っていると思いますね。昔は、国語・算数の練習帳と書き取り30ページ、絵日記3枚程度、夏休みの計画表、絵画作品1点以上、作文1点以上、習字作品1点以上、読書感想文1点といった感じのラインナップでした。学年が上がるにつれて、さらに内容は多くなっていきます。

一方で今の小学生はというと、練習帳と書き取り、あるいは自主学習のどれかを選択で10ページ程度、そして作文か絵画か習字、読書感想文も選択制で1〜2点程度あたり。これは私の担当している学校だけの話でなく、どの学校もこの程度と考えてもらってよいと思います。学校や学年によって変化があるとすれば、それらに加えて絵日記、計画表、観察カードがあるかどうか、といったところでしょうか」(40代・小学校教師、以下同)

確かに明らかに少なくなっている宿題量。特に、多くの日本国民のトラウマになっている読書感想文については、“やってもやらなくてもどっちでもいい”というから驚きだ。

親が手伝うこと必須の自由研究(Shutterstockより)
親が手伝うこと必須の自由研究(Shutterstockより)

「自由研究・読書感想文・習字・絵画を選択制にしていると、習字7割、絵が2割、そのほかが1割といった割合で選ばれています。自由研究や読書感想文に関しては、やってくる子は本当に好きか、読書感想文のコンクールで入賞したいからか、親に無理矢理やらされたかのどれかですね。だからクラスの1割程度の子くらいしかやってこないですし、クラスによっては0も全然ありますよ。

そもそも、自由研究は大半の親が支援しているので、親に時間的、精神的余裕がないとなかなかできませんからね。写真の印刷ひとつにしても必ず親の力が必要になりますし、子どもだけでやることはほぼ無理です。だからこそ、共働きの家庭では選択肢にすら入らないのではないでしょうか」

夏休みの宿題の代表格である、自由研究も読書感想文も、まさか現代では絶滅危惧になっていたとは……。なぜ、これほどまでに宿題が減ってしまったのか。それは、現代の子どもを取り巻く教育環境が強く関係しているという。