国際化や少子化により漢検が受けた影響とは?
漢検が誕生したのは、今から約50年前の1975年。日本漢字能力検定協会の前身となる学習塾で、「生徒の学力向上のためにやる気を引き出せるような方法がないか」と考えていたところ、近隣のそろばん塾で“昇級制度”を見かけ、それを取り入れることに。
当時、その学習塾では国語学習を重要視していたため、漢字テストに昇級制度を当てはめたことで漢検が生まれたという。
近年の漢検の志願者数は、150~200万人を維持している。2000年代に志願者は250万人を超え「ニンテンドーDS」の漢検のソフトも大ヒットした。志願者数の増減はあるものの、毎年の合格率はあまり変わらないそうだ。
「当協会が独自に行っている全国の大学・短大や高校における資格の活用状況に関する調査では、『活用している』と答える学校が増加傾向にあります。『入試で漢検を評価する』と回答した高校は51.6%、大学では65.1%という結果でした。理由としては、『自分で目標を立てて学習を継続できる力がある』と判断されるからではないかと推測しています」(佐藤由依氏、以下同)
このように、小学校での英語教育の義務化など、国際化している現代社会の中でも、漢検の価値は衰えることがないようだ。