年収が低いと結婚相談所の登録すらできず
「最初の1年半ほどは婚活パーティーに通っていたのですが、うまくいかなかったので結婚相談所に登録することにしました。当時の年収は350万円ほどでしたが、とある大手結婚相談所へ面談に行った際、年収欄を見られた瞬間に時が止まったのを覚えています。
職員からの第一印象はよく、話し始めてもニコニコして、私の学歴欄を見ても『努力されたんですね!』と笑顔で褒めてもらったんですが、いざ年収の話になると……。歓迎ムードもしぼんで、やんわりとお断りを受けました。この年収ではなかなかお見合いが組めず、満足いく活動もできそうにないので、入会金や会費ばかりもらうことになって申し訳ないからと入会をお断りされてしまったのです」(ヨシオさん、以下同)
この厳しい仕打ちには、結婚相談所に登録する男性が“高年収”であることも影響している。ヨシオさんによると、相談所を利用する男性は年収が高い傾向にあり、年収550万円でも普通ランクの部類なのだという。東京はそれが特に顕著で“1000万プレイヤー”も珍しくなく、地方では中央値の年収でも「入会は普通に断られる」という。
その後に登録することができた別の相談所では、月に30件のお見合いを申し込み、成立するのは1~2件。運良くお見合いが成立しても、女性から “塩対応”を食らうことが日常茶飯事だった。
「地方では自動車は欠かせませんが、当然、年収が低いと高い車は買えません。私は国産のコンパクトカーに乗っているのですが、これが婚活女性からは大不評だったんです。ある婚活パーティーでは、車種を聞かれ、私はコンパクトカー、もう1人の男性が高級ミニバンのヴォクシーに乗っていると回答したところ、私を無視してその男性とだけ会話をする女性がいました。
また、他の女性と公園で花見デートをした際にも、私のコンパクトカーを見て『どこのメーカーかよくわからないですね(笑)』と嫌味っぽく笑われました。その女性はその後、私から距離をとるように早歩きで前を行き、デート後には案の定フってきました」
こうした “失礼女”たちと、ヨシオさんはその後も次々に遭遇していく。ときには、年収だけでなく“実家暮らし”があだになることもあった。