「大仏殿」には見る者を圧倒する巨大オブジェの数々が

チケット売り場に続く階段の脇には、銚子電鉄の現物大電車模型や巨大な恐竜のオブジェなどが展示されており、評判どおりのカオスな空間がそこには広がっていた。

チケット売り場の前からこのカオスっぷり
チケット売り場の前からこのカオスっぷり

 

展示物はどのように選んで、どのように分類しているのだろうか。

「あらゆる物があるから説明のしようがありませんね。何を展示するかと選んでしまうと、偏ってしまうからとくに『これ!』と選ぶことはしません。ただ言えるのは、ここにあるのは庶民が生活の中で残したものがほとんど。そして、展示するものはあえて分類していないです。分類してしまうとおもしろくなくなるからカオスでいい。

文化のカタログ見本市という感じで、ありとあらゆるものを展示し、サブカル好きだけでなく老若男女みんなに楽しんでもらいたい。ここにある展示物はすべて人が元気になれる装置だと思っています」

いいことを言っているような気もするが、入場して5分が経過。すでに気持ちが不安定になってきた記者。

チケット売り場から売店を抜けて訪れたのは「大仏殿」。なんでも、まぼろし博覧会ができる以前に、ここで営業していた熱帯植物園「伊豆グリーンパーク」の温室を改造してつくられたエリアだそうだ。

大仏殿には全長12メートルで、購入費と輸送費あわせて1100万円も費やした聖徳太子像など巨大オブジェがズラリ。

この巨大な聖徳太子像は映画の撮影で使われたものを約1000万円で買い取ったという。奈良の大仏と同じサイズで、搬入するのに費用だけでも100万円以上にもなったそうだ
この巨大な聖徳太子像は映画の撮影で使われたものを約1000万円で買い取ったという。奈良の大仏と同じサイズで、搬入するのに費用だけでも100万円以上にもなったそうだ

その後に案内されたエリアも不気味ながらもつい見入ってしまうような展示物で溢れている、まぼろし博覧会。その他のエリアについては後編で触れるが、訪れる人の多くは若者、とくに女性が多いというのは意外なような納得なような。

最近では国内にとどまらず、海外からの観光客も増えており、「『世界中どこを探しても他にこんな場所ない!』『ジャポニズムだ!』と喜んでもらえるんですよ」とセーラちゃんはちょっと自慢げ。

この日も新たな展示品が届くため、閉園後、作業着に着替えて搬入作業をする別人のようなセーラちゃん
この日も新たな展示品が届くため、閉園後、作業着に着替えて搬入作業をする別人のようなセーラちゃん
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同園は違法なものや差別的なもの、生もの、危険なもの以外は基本的にすべて引き取って展示しているとのことだが、いったいどんな思いでテーマパークを“デザイン”しているのか。セーラちゃん、もとい鵜野義嗣氏の人物像とともに、#2のインタビューで迫る。

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部ニュース班