虐げられるおじさん、おばさんたち
事実なら何を言ってもいいというわけではない。ハラスメントは受け取る側しだいだとはよく言う。老害と言われて傷つく人がいるのなら、若者が目上の人を老害だと指摘するのは、立派なハラスメントなのかもしれない。
「“老害・若害”どちらの言い分が、絶対的に正しいという『0か100』かの思考ではなく、双方がどちらの言い分も一理あると受け止めることが大事です。老害世代の人は、自分の常識や理想を優越的な立場で周囲に押し付けないこと。
若害世代の人は、いきなり否定や拒否をするのではく、社会の常識や実態をまず把握してから、自分が思う発言や行動をとること。目上の人に意見を言う際は、正論でも失礼にならない言葉を選んで発言すること。こうすることで、ぶつかり合いを防ぐ予防になると考えます」(村嵜さん)
老害と言われるだけでなく、“おじさん構文・おばさん構文”とLINEの文面を笑われたり、文面に句点(。)を使用するだけで “マルハラ”と言われたり、先輩世代への風当たりは厳しくなるばかり。
若害という言葉が生まれてしまった経緯には、そんな悲しさとやり切れなさが深く関係しているのかも。
取材・文/集英社オンライン編集部