60歳になっても舞台に立つためにネタを磨く

――ネタを磨くために毎月単独ライブを敢行する一方で、R-1への出場は来年で最後にすると表明されました。

もう最後ですね。でも、3月、4月とライブをやって思ったのが、来年のR-1出ないかもわからないです。ライブの出来が悪かったんじゃなくて、自分の中での手応えはありました。ただ、どんどんネタがシンプルになっているので。昔は、わかりやすさより自分の好きなことを優先していて、ほぼ全部の単独ライブでスベってました。

でも今は、いいバランスでやれていると思います。ただ、そのバランスでは、今年の決勝のルシファーさんとか吉住さんみたいな、あそこまで飛び抜けたコントを自分はまだ作れていないので。2回戦で落ちた時は「来年のR-1のために」と思いましたけど、今は50歳とか60歳になったときに舞台でやれるネタを磨くほうの気持ちが大きいですね。

――芸人にとってネタはどの程度重要だと考えていますか?

僕は100%かなと思います。名刺代わりでもあるし、ネタをまったくせずに売れた人ってなかなかいないですから。結局はオーディションもネタで決まるので、勝ち上がるためという意味でもネタが100%だと思うんですよ。僕、オーディションむちゃくちゃ嫌でしたもん。笑い飯、麒麟、千鳥、同期でもNONSTYLEとかがいる中で、ピン芸人で勝ち抜かないといけないわけですよ。落ちるっちゅうねん。
 

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――コンビと戦うとなると、ピン芸人は不利に感じます。ピン芸にしかない魅力ってどのような点ですか?

間が空くと無言になるんですけど、その時にさざ波みたいに笑いが大きくなると気持ちいいですね。コンビだと、どうしても片方が入ってくるのでそうはなりません。「大きく分けたら、全部のお笑いはあるあるネタだ」という意見があるんですけど、ピン芸は特にそれが強いと思いますね。いかにしっかりとあるあるを見せるか、そこから飛躍させるかだと思います。