看護師の腰を破壊する患者のケア
「寝たきりの患者さんの体位変換は、4時間を越えない範囲ですることと言われています。その理由としては、褥瘡(じょくそう)=床ずれを予防するためです。しかし、ICUなど意識がなく重症な患者さんが入院している場所では、2時間毎に行っています。なので8時間勤務なのであれば、最低1患者さんに対して4回×担当患者さん分と、ペアの看護師の患者さん分の寝返りをさせないといけません。
一般病棟では、もう少し軽症だったり、看護師の人数がいないので、一人で体位変換をしたりしています。一般病棟はICUよりは、回数が少ないと思いますが、何回しているかは、病院や病棟によっても違います」(SKY BLUEさん、以下同)
また、寝返りを打たせるだけではなく、ベッドの頭部側をギャッジアップして患者の上半身を起こしてあげた際にも、補助は必要となる。体が下にずり落ちてしまってベッドから転落する危険や、体勢がキツくなったりするため、頻繁に体を上方に持ち上げて元の位置に戻してあげなければならないのだ。こちらは2時間毎よりもさらに頻繁にする必要がある。
入院中の患者は基本的に点滴やオシッコの管、そして手術後に挿入されるドレーンという菅や、さらには人工呼吸器など、さまざまな管類が体に挿入されているため、そこにも注意を払わなければならない。
「意識がない方を持ち上げるというのは、考えているよりもかなり大変です。体の全部の力が抜けてる状態なので、思っている以上に重かったりするのです。そして、意外と知られてないのですが、全身状態が悪くなると、おしっこが出なくなり、点滴や体の中の水が、体内に溜まってパンパンになってくるんです。水の重さはかなり重くて、さらに体重が増すので、当然腰への負担もプラスされます」