いびきが出る3大要因は骨格・肥満・加齢

いびきはなぜ出るのか? それは「管楽器と同じような原理」だと田中医師。

「クラリネットなどの管楽器は、吹き込んだ空気の圧力でリードという薄片が振動して音が出る仕組み。鼻や口から吸い込んだ空気は気道を通りますが、気道が狭くなっていると大きな圧力がかかるため、のどが振動して音が出ます」(田中医師)

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 気道が狭くなる原因は3つある。

骨格。特に日本人は首が細く、顎の小さい人が多く、もともと気道が狭い傾向がある。

肥満。顔や首周りについた脂肪が、仰向けに寝る姿勢の時に垂れ下がって気道を圧迫するため。

加齢。組織のハリが低下するため、首周りの脂肪や舌などが気道に沈み込むようになる。①②のタイプも、③の加齢要因が加わると悪化しやすい。

また、飲酒は筋肉を弛緩させるのでいびきが出やすくなるし、意外なところでは、筋肉量の増加も気道を狭くする。田中医師によると、筋肉の増量が重要なラグビー、相撲、ボディビルなどは首も太くするので、空気が通りにくくなる傾向があるそうだ。そして、口呼吸もいびきを悪化させる。

「花粉症や副鼻腔炎などで鼻詰まりがある場合は、口呼吸をせざるを得なくなりますね。口呼吸をすると口が開くことで舌が落ち込み、気道が狭くなるため、さらにいびきが出やすくなります」(田中医師)