「お金を持っている女性が好きという感じでした」

「反社」や「半グレ」を彷彿とさせる全身の刺青も、オシャレの一部だったようだ。

「刺青についてもファッションの一環という側面が強かったように思います。なぜそんなに刺青するのかと聞いたときには『育った町が浅草だからさ、自然に周りにそういう人がたくさんいたから、入ってるのが普通というかさ』と説明していました。だからかなり若いころから入れ始めていたと思いますよ。

あと、セイハは下戸で、本人も『お酒は飲めない』と公言していたので、飲み屋やキャバクラに通うイメージはありません。女好きというよりはお金を持っている女性が好きという感じで、趣味といえば洋服と車でした。車はベントレー、ベンツのゲレンデなどを売っては買っての繰り返しで乗り換えていました。ギャンブルはしないけど基本的に金遣いは荒く、女性からお金を引っ張る一方で、周囲の人間に羽振りよく奢ったりもしていました」

刺青だらけの関根容疑者
刺青だらけの関根容疑者

頸部圧迫で殺害、幸子さんにいたっては顔が判別できないほどハンマーで殴打し、遺体に火を放って遺棄するという残忍な犯行に及んだことを、Z氏はどう解釈しているのだろう。

「たぶんですが、セイハは殴り合いの喧嘩はできないし、したことがないんじゃないかなと思います。だって本当にビビリで鳥が大の苦手で、カラスやハトが近づくとに『ヒャー』と情けない声をあげていたくらいです。その印象からあんな残虐な計画は立てられないような気もするけど、一方でビビリだから人に頼んだのかなとも思います。

弱い人間に強く当たるところは何度か見たことがありました。車を運転中に歩行者のおばさんに窓を開けて『どけやババア』と怒鳴ったり、自分の会社の社員を家に住まわせて身の回りの世話をさせ、追い詰めた挙句その親御さんを怒らせたこともありました。その一方で子どもには優しかったり、犬好きな一面もありました」

台東区の下町に生まれ、人当たりよく育った道楽者が、なぜここまで残忍な事件をおこしたのか。前代未聞の事件の全容解明には、もう少しピースが必要なようだ。


宝島夫妻(知人提供)

宝島夫妻(知人提供)

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班