「解散は1日でも遅くして」と安倍派議員は願うも岸田首相は…
「ポスト岸田」をめぐる攻防も水面下でうごめく。
「3補選の結果をみたら、とても岸田首相では選挙は戦えないのでは。来年秋までに衆院選はあるのだから、なるべく国民人気の高い人に首相をしてほしい」(自民党関係者)
党内では圧倒的な「ポスト岸田」候補はいないものの、首相となれば女性初となる上川陽子外相、国民人気の高い石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相らの名前が取りざたされる。
「非主流派の筆頭、菅義偉前首相も二階派の武田良太氏らと会合を重ね、メディア露出もするなど、存在感を高めています。首相を支える立場であるはずの幹事長の『岸田離れ』に加え、非主流派もうごめき、処分を受けた安倍派なども首相を快く思っていないとなれば、首相の力が弱まってしまうのは必然といえます」(同)
こうした事態を打開するため、岸田首相が早期に解散しかねないという声も、党内には相変わらず残る。
自民党安倍派議員の一人は「とにかく解散は1日でも遅くしてほしい。今解散されたら、まだまだ国民が裏金問題を覚えている。でも、岸田首相のことだから、何をしてくるかはわからない。このままずるずると9月の総裁選に突入するよりは『一か八か』での局面打開を図るのでは」と恐れる。
これまでも突然の岸田派の解散表明、衆院政治倫理審査会への出席など、「サプライズ」を繰り返してきた首相だけに、“ほぼなくなった”とみられる6月解散の可能性も完全に否定しきれないという。
「首相は外遊からの帰国当日の6日に党の政治刷新本部のメンバーと面会し、政治資金規正法改正に関して、『今週中にもとりまとめを行なうよう、協議を加速することを指示した』と語りました」(全国紙政治部記者)
「自分の延命のためなら何でもする」「党内の重鎮たちからの不満もなんとも思わないくらい鈍感力がすごい」と言われてきた岸田首相。
「岸田包囲網VS鈍感な首相」の攻防の行方はいかに……。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班