触らなくても処罰される可能性も

「“触らない痴漢”は最近増えているように感じます。先日も深夜の満員電車で酔っ払いに息を吹きかけられてマジで最悪でした。その人は50代くらいのハゲジジイで、酒臭くて気持ち悪くなったから別の車両に逃げました。
今まで何度もそういう経験がありますよ。される度に『ああ、またかぁ』って感じで精神的にすごく疲れます。ただ、金髪とか派手な見た目のときは痴漢されたことは一度もないので、大人しそうな人を選んでるんだと思います。痴漢するやつは一刻も早く社会的に抹消されてほしいです」(20代女性/アパレル関係)

取材を実施した新宿駅
取材を実施した新宿駅


「この前、すぐ後ろにいた男性にスマホで何度も背中を上下になぞられました。動かし方がねちっこかったから絶対わざとです。
どんどん男性の鼻息が荒くなっていったのがすごく気持ち悪かったのですが、怖くて体が固まって逃げたくても逃げられませんでした」(︎20代女性/フリーター)

このような“触らない痴漢”は法律等で規制しきれていないものの、「卑わいな言動」とみなされれば、迷惑防止条例違反で処罰となる可能性がある。
一方で、男性からは「満員電車などの状況下で息が荒いだけで判断されるのはあまりにも酷だ」「冤罪になる可能性もあるのではないか?」といった声もネット上であがっている。

また、実際に触られて警察に被害を訴えても、証拠不十分として取り合ってもらえないケースも少なくないようだ。事務職をしている30代の女性は語る。

「去年8月に渋谷の地下街を友達と歩いていたら、真夏ですごく暑いのに上下黒のスーツを着て、肩下まで白髪交じりの髪を伸ばした、見るからにあやしい50代後半くらいのおじさんにすれ違いざまに胸を揉まれました。

女性に二度も痴漢したという男性。逃げられてしまったため、後ろ姿しかカメラにおさめることができなかった(写真/女性提供)
女性に二度も痴漢したという男性。逃げられてしまったため、後ろ姿しかカメラにおさめることができなかった(写真/女性提供)
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そのおじさんに半年後にも渋谷駅の改札の前で遭遇して。今度は手の甲で私の手の甲をスリスリされたんです。2回目だからさすがに腹が立ってスマホでおじさんの写真を撮ろうとしたんですが、走って逃げられて後ろ姿しか映らず……。
写真を警察に見せても証拠不十分で門前払い。常習犯だと思うから早く捕まってほしいですね」(30代女性/事務職)

4月26日、福岡市の地下鉄にカラーの映像がリアルタイムでセンターに送られる防犯カメラが全国で初めて設置された。今後、このような対策が全国的に広がり、被害に遭う女性がひとりでもいなくなることを心から願うばかりだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班