「とにかく働くことが大嫌いで、自分の金では絶対に酒を飲まない」
ゴールデンウィーク直前に日本列島を駆けめぐった衝撃的なニュース。事件発生から20年近くにわたり貼られていた「指名手配ポスター」には、ふてぶてしい表情を浮かべる上地容疑者が映っている。「沖縄出身」「あばた顔」「麻雀好き」「腰痛持ち」などの特徴も記されているが、いったいどんな人物だったのか。事件を取材した社会部記者はこう語る。
「上地容疑者は、前歯がなく笑い声がかん高いのが一番の特徴。さらに知人たちは上地容疑者のことを『とにかく働くことが大嫌いで、自分の金では絶対に酒を飲まない』と口を揃えていた。一時期はチラシ配りのアルバイトなどもしていたというが、基本的に仕事は長続きせず、知人たちの家に転がり込んでは金をせびり続ける。捜査関係者の間では『周囲に迷惑をかけ続けてきた男』とも呼ばれていた」
記者が28日に現場を訪れると、事件があった木造アパートはすでに建て替えられていて、別のアパートが建っていた。近隣住民の男性は、「今は大学生くらいの若者がメインで住んでいるし、あんな事件があったことは誰も知らないんじゃないかな」とつぶやく。
しかし20年以上経った今でも、近隣住民の60代女性は当時についてこう振り返る。
「そりゃ事件が起きたころは大変でしたよ。朝8時ごろに近所のテニスコートに行こうと自宅のドアを開けたら、アパートの前に規制線が張られていて『え、なにがあったの?!』って感じで。マスコミの方も大勢押し寄せてくるような状況だったので、事件が落ち着くまで窓も閉めてましたし、できるだけ外出も控えてました」