《後編》はこちら

逆ナンパ師時代に狙ったのは「弱ってそうな冴えない感じの人」

──全国No.1受賞おめでとうございます。まりてんさんは、いつごろから風俗嬢として働かれているのでしょうか?

まりてん(以下同) 大学時代に浜松の美大に通っていまして、4年生のときに浜松のデリヘルで働いたのが初めてです。22歳の冬ですね。

──それは、どういったきっかけで?

大学時代、毎日のように一緒に男を狩ってた女友達がいたんです。その子が私より1か月先に風俗で働きはじめて。「どうせ男を狩るなら、お金になるし、風俗で働いてみれば? 意外と怖い仕事じゃないよ」って誘われたのがきっかけです。

──女友達と一緒に男を“狩ってた”とは…?

例えばその子と居酒屋に飲みにいって、隣で男性のグループが飲んでたとして。その男性グループの中の1人がトイレに立ったら、後ろから追いかけてトイレのところでキスするとか(笑)。

全国No.1風俗嬢になった、まりてんさん
全国No.1風俗嬢になった、まりてんさん
すべての画像を見る

──居酒屋でそんなことがあり得るんですね。その女友達と出会ってから男狩りをはじめたのでしょうか?

いえ。大学1年の後期から実家を出て一人暮らしをはじめて。それから1人でよく逆ナンパ師のような活動をしていました。

──逆ナンパ師の活動とは…?

雨の日に見知らぬ男の人の傘のなかに勝手に入って、家までついていってワンナイトを過ごしたり。

──ナンパってそんな方法があるんですね(笑)。

あと、コンビニで酔っぱらってアイスを選んでいる男性を見つけたら、「これ入れて!」ってカゴの中にアイスを入れるのもよくやっていました。アイスを買うということは家が近い証拠なので、直接家までついて行けます。

──合理的な考え方ですね。怖がられたりはしないんですか?

そういうときは学生証を見せるようにしてました! 大学名も本名も書いてある学生証が一番の安全証明ですからね。

──(笑)。まりてんさんはどんな人をナンパしてたのでしょう?

弱ってそうな冴えない感じの人。“人生で突然起きたサプライズ”を演出して、自分の希少価値を感じたかったので。

──サプライズになりたかったんですね(笑)。ナンパの楽しみはどんなところにありましたか?

ワンナイトをした男の人が、解散してからどれくらい時間が経ってどんな連絡を自分にしてくるのかを予想して、それがドンピシャで当たったときが一番気持ちよかったですね。「また会いたい」って連絡が来たらもう満足で、その後はLINEブロックとかしちゃってました。

──そうした逆ナンパ活動をしてゆく中で、狩り友達もでき、風俗で働きはじめたんですね。風俗は働いてみてどうでした?

ナンパと違って男の人が自動的に供給されるのがよいですし、「リピートしたいと思わせたい!」というナンパ時代には独りよがりでしかなかった私の気持ちが、風俗で働いた途端に周りから評価されるものに変わったので、天職だと思いました。