春の川は場所によって流量が多く、水深が深くなる

川などの水難事故は圧倒的に7~8月が多いのですが、やはりゴールデンウィークで休日が多いこの時期も水難事故は増える傾向なので、十分準備をしてお出かけいただきたいです。

長野県、新潟県をまたにかける日本一長い川、信濃川を例にしてみます。

春の川の様子は地域や環境、天候によって異なりますが、国土交通省信濃川河川事務所が公表している「データで見る信濃川」(※1)を見てみると、年間で利根川(関東)が9月、10月の月別平均流量が多いのに対して信濃川は4月が突出して月別平均流量が多くなっています。
これは山からの雪解け水によるものと公表されています。

このように春は地域によっては川の流量が多くなり、そのせいで水深が深くなり、流れも速くなるのです。
夏に行ったときは浅くて水の量が少なくても、春は川の様子が変わっていることもあることを心にとめておいてください。

さらに雪解け水が流れているので、水温がかなり低いのも春の川の特徴です。ゴールデンウィークの時期は夏のように外気温が高いときもあるとはいえ、場所によっては寒暖差が激しく、川の水に入るとかなり冷たく感じると思います。そこで、気をつけたいのが低体温症です。

川の水は体温に比べかなり低いのが一般的です。熱伝導率(W・m-1・K-1)を比較すると、水(0.561)は空気(0.0241)に対し、20倍以上いいことから熱を奪われやすい性質を持ちます。さらに川の流れの中では時間とともに急激に体温が奪われ、低体温症を引き起こすことがあります。

ボートやカヌーなどでのレジャーで遊ぶときは、ライフジャケットの下にウェットスーツなど着用して、体温低下を予防するようにしましょう。

〈GWの水難に注意〉春の川ならではの4つの危険ポイント、水量が多い、深い、流れが速い…溺れる危険を招く水温の特徴とは_1
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(※1)https://www.hrr.mlit.go.jp/shinano/shinanogawa_info/naruhodo/ryusui.html