試用期間中は給料なし、その後即解雇のケースも…

そんななかユイさんが友人の紹介で就職にこぎつけたのが、懐石料理などを提供する高級日本食レストランでのアルバイトだった。しかし長続きせず、3~4回出勤して辞めてしまったという。

「辞めた理由は日本人のオーナーとそりが合わなかったからです。そのオーナーは年配の女性の方だったのですが、いわゆるお局気質で、嫌味をよく言われました。そして給料面での不満もきっかけでした。懐石料理の説明などで高度な英語力が必要にもかかわらず、時給は平均以下の21ドル(約2088円。※オーストラリアの平均時給は約2300円)だったので、労力に見合わないと思い、辞めました」

ブリスベンの夜景(撮影/ユイ氏)
ブリスベンの夜景(撮影/ユイ氏)

ユイさんによるとアジア人オーナーの店はトラブルが多いという。

「私の友人は日本式パンケーキ店で働いていたそうですが、試用期間の給料が出なかったという話や、試用期間が終わると即解雇されたという話を聞きました。そのパンケーキ店も日本人のオーナーだったそうで、一概には言えませんが、アジア人オーナーは親切な人ばかりではないという印象を受けましたね。それに比べて現地のオーストラリア人がオーナーの店で働いた友人は人にも恵まれ、トラブルもなく平和にアルバイトをしていました」

同じ日本人でも親切な人ばかりではないというのは何とも複雑だ。ユイさんはその後、中国人オーナーのカフェでのアルバイトも経験したが、1か月ほどでクビになってしまったそう。

「カフェでは案内や、オーダーを聞くこと、配膳、皿洗いなどを任されました。そのカフェは席数も多く、繁盛店だったのでとても大変でしたね。そこは週2ほど出勤していたのですが、1か月ほどで来なくていいと言われ、突然職を失いました。カフェはワーホリの中でも人気の求人なので、バリスタの資格やラテアートの経験がないとなかなか正式に雇ってくれないのだと思います」