マクドナルドとの実際の仲を聞いてみると…

今回、マクドナルドが撤退した場所にあえて出店した理由についても「3年前にバーガーキング・なんばセンター街店を閉店してから、なんば・千日前エリアで出店場所を探しておりました。この度、良い場所が見つかりましたため出店の運びとなりました。3年前にバーガーキングをご利用いただいていたお客様含め、なんば、千日前エリアの多くの皆様にご利用いただけるお店を目指しております」との返答で、マクドナルドの既存客を囲うのではなく、3年前にバーガーキングを利用していた客層などを狙うとのことであった。

広告ではマクドナルドを相当意識しているが、担当者からマクドナルドへの想いなどを聞くことはできなかった。

しかしそもそも、バーガーキングはこれまでもマクドナルドを挑発するような広告を何度も打ち出している。2020年に、マクドナルドの秋葉原昭和通り店が閉店した際、同じくバーガーキングの秋葉原昭和通り店では、

「私たちの2軒隣のマクドナルドさんが今日で最終日を迎えます。
たがいに良きライバルとして、アキバを愛する仲間として
ちかくにいたからこそ、私たちも頑張ることができました。マクドナルドさん
のいないこれからを思うと寂しさでいっぱいです。どうかみなさん、
勝手なお願いですが、今日は彼のところに行ってください。ずっと背中を追い続けた
チャレンジャーの私たちから、スマイルを込めて。お疲れさまでした」

 

写真提供/株式会社ビーケージャパンホールディングス
写真提供/株式会社ビーケージャパンホールディングス

とねぎらいのコメントを出していたが、これをよくよく見ると、縦読みで“私たちの勝ち”と読むことができ、「マクドナルドを挑発している」と大きな話題になった。

さらに2022年、マクドナルドが再び秋葉原昭和通りに店をかまえることになった際、バーガーキングの昭和通り店は突如、「私たちの価値」というタイトルで自社の商品を宣伝するポスターを店頭に張り出した。そして、こちらも縦読みすると、「店のデカさよりだいじなこと。」となり、巨大店舗を構えたマクドナルドへの挑戦だ、といわれた。

写真提供/株式会社ビーケージャパンホールディングス
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バーガーキングのマクドナルドに対するライバル心は、本国・アメリカでも健在で、VSマクドナルド広告でたびたび話題をさらっている。まるで、トムとジェリーのような微笑ましい関係にも見えるが、バーガーキング側にマクドナルドとの実際の仲、意見交流などの有無を聞くと、「しておりません」と返答があった。

もしかすると、ずっとバーガーキングからの片思いなのかもしれないが、いつかマクドナルドから返事は来るのだろうか…。

取材・文/集英社オンライン編集部