レタッチはほぼなし
――「撮られる人の魅力」といえば、今回の作品は、ほとんどレタッチをされていないそうですね。
そうなんです。女性の友達と話していて、「太ったんだよね」「最近体のここが気になる」といった話題になることがあるんですけど、他人からしたらまったく気にならないところ、むしろ魅力的な部分までもがコンプレックスになってしまうことがある。シワやシミだって年齢を重ねた結果ですし、その人の魅力だと思うんですね。
だから今回の写真集では、普通レタッチで修正してしまうようなところも、「このシワはありだね」「ここに見えてる血管もキレイじゃない?」と、なるべく見てもらおうとあえて残しています。私は他人のシワや傷あとも素敵だなと思うから、読者の人にも、私のそういうところを嘘なく出したい、と思ったんです。
――写真集の中でヘアスタイルも変わっています。
撮影を通して、私自身どんどんニュートラルな状態になっていったんです。佐内さんとお話を重ねるうちに、シンプルなところ、写真の原点に立ち返っていくというか。よけいな考えや雑念がどんどん削ぎ落とされていった結果、「髪も、いらないかな…」と切ってしまいました(笑)。
――今後もまた「グラビアって、なんだろう?」という問いに対する答えを探求し続けていかれますか?
どうかな…実は「被写体」としてグラビアを探求するというのは、今回でやり切った気もしているんです。もちろん「グラビアとは?」と頭で考えることは今後もあるでしょうけど、被写体・筧美和子としての熱は、今のところすべて『ゴーみぃー』につぎ込みました。
そんな写真集を楽しんでいただければと思います。
取材・文/結城紫雄
撮影/松木宏祐
ヘア&メイク/白水真佑子
スタイリング/番場直美