「学校側は『イジメではない』と言うだけ」

学校教育の場でいちいち生徒や保護者の好き嫌いを反映していたらキリがないし、そもそも小学校や中学校の「学級」とは、集団と個の関係性を学び、社会性を身に付ける場所である。それでもクラス替えをやり直さなくてはならなくなった背景に、いったい何があったのか。前出の男子生徒の母親もこう首をかしげる。

「たしかにこの中学校は、過去にもいろいろな問題がありました。でも新3年生にはヤンチャな子も少ないし、問題が起きたこともなかったので安心していたんです。それなのにクラス替えをやり直す事態になり、学校側も『イジメではない』と言うだけで、具体的なことには一切ふれない。

中学3年生は高校受験も控えているというのに、なぜ少人数の生徒のためだけにクラス替えをもう一度行なうのか疑問でなりません。実際にあの説明会だけで納得した保護者は少なかったはずです」

守山市の観光地、琵琶湖大橋
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結局、新しいクラス編成が発表されたのは12日の早朝だった。前出の市教委の担当者はこう話した。

「今朝、体育館にクラス表を貼りだして、子どもたちが新しいクラスごとに整列したうえで、学年主任から『いろんな思いはあるだろうけど、このクラスで1年頑張っていこう』といった話をさせていただきました。その後、新クラスへ荷物をもって移動して、学級開きを行なったという感じです。

また、学習指導のスケジュールはコロナやインフルエンザなどによる学級閉鎖が起こる可能性も考慮して、ゆとりをもって時間数の設定をしております。今の段階では当初の(学習指導の)予定からは遅れていますが、これから学習活動を本格的に始めさせていただきますし、そこは回復に努めてくれると思っております」

いじめのない平和な学級で、配慮しなければならない生徒同士の人間関係とは何だったのか。生徒も保護者も“謎”が残ったまま遅い新学期がやっとスタートした

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班