ピアノができる子、字が上手な子も均等に…

埼玉県内の公立小学校女性教師Aさん(35)はこれまで県内の3つの小学校で教師をしてきたが、クラス替えは「学年主任が中心となって行われてきました」と話す。

「仮に、1学年3クラスの学校なら、自分が担当していたクラスの子をまずは3分割します。分割の仕方としてはまず、男女それぞれの一番学力の高い子から中くらいの子、低い子とそれぞれ番号を振り、学力が均等にバラけるようにA、B、Cとグループを3つつくります。


それ以外に、運動能力に秀でていたり、リーダーシップがある子なども同じクラスに固まることがないように調整します。さらに新学年で音楽発表会などがある場合は、ピアノを演奏できる子が1クラスに1人は入るようにします」

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さらに埼玉県ならではの「配慮」が存在したという。

「埼玉県の公立校では書道展や硬筆展を毎年行うので、字の上手な子が固まらないようにもしていました。こうした微調整は、旧学年の先生たちで3回ぐらい集まって、詰めていきます。1回の打合せに2~3時間は要しますね。

その結果を別の学年の先生や、かつてこの学年の担任経験のある先生にも見ていただき、最終的に主幹教諭か教頭、校長に目を通してもらい、ようやくOKとなるのです。この作業は早い学校なら2月末くらいから準備を始めます。

このようにクラス編成は調整や確認など何段階も経て決定するので、今回の守山市の中学校のように人間関係に配慮して「やり直す」ことは、よほどのことがない限り、ありえない。というか、人間関係で変えていたらキリがないので、教師の立場からすると信じられないニュースです」(Aさん)