“数字”と“人気”…プロ野球選手としての2つの成功

今回の件をキッカケに、改めて「日本人メジャーリーガーが日本球界に復帰する」うえで “正解”は存在するのかを考えてみたい。

まず“正解”の定義がなにかを考えたとき、ひとつは選手としての“成功”が挙げられる。メジャーから日本へ帰ってきて、かつての成績やそれに近い数字を残す。プロ野球選手にとっての“数字”は、“価値”と同義と言っていい。結果を残せる確率が限りなく高い場所を移籍先に選ぶ――。これは、「日本球界復帰」というケースに限らず、すべてのプロ野球選手にとって最優先事項だ。

もちろん選手への評価である「金額」も重要だろう。より高い評価を下してくれた球団への移籍を決断することも、「プロ」としては至極当然のことだ。ただ、特に今回のような「日本球界復帰」のケースの場合、重要になってくるファクターがもうひとつある。

それが「ファン心理」だ。プロ野球選手は成績を残し、それに見合った評価=金銭を受け取るだけでなく、「ファンに応援される」ことも重要な仕事だ。

“きれいごと”だけではなく、これは選手としてのキャリアにも大きく影響してくる。ファンに応援される選手とは、すなわち「球場に観客を呼べる選手」でもある。プロ野球はスポーツであると同時に興行であることを考えると、その存在を無視することはできない。

写真/shutterstock
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その意味では、メジャーから日本に復帰する際には、よほどの事情がない限りは「古巣への復帰」という選択がマストだと言っても過言ではない。なぜなら、「多くのファンに温かく迎えられる」状況が生まれやすいからだ。

ちなみに、過去にNPBからメジャーへと移籍し、その後再び日本球界(独立リーグを含む)に復帰した選手は51人いるが、その半数近い24人が「古巣復帰」を選択している。現役選手でいえば和田毅(ソフトバンク)、青木宣親(ヤクルト)、平野佳寿(オリックス)らが挙げられるが、彼らはファンのみならずチームメイトからも絶大な信頼を勝ち得ている“レジェンド”となっている。