またとないチャンスを掴むためにPaix²を結成
──Paix²(ペペ)を結成した背景について教えてください。
まなみ 子どもの頃から音楽に携わる仕事がしたいと思っていて、今のマネージャーに誘われた際に「こんなチャンスは一生に二度とない」と感じて、勤めていた大学の研究助手を辞めて、音楽アーティストとしての道を進もうと決意しました。親も反対せず、背中を押してくれたこともあって、踏ん切りはつけやすかったですね。
めぐみ 学生時代は吹奏楽部に所属したりと、昔から音楽がとても好きだったので、漠然と音楽の仕事をやりたいという思いはありました。でも、親からは強く反対されていたので、社会人になってからは(鳥取県倉吉市で)看護師として働くようになったんです。
そんなある日、とある音楽祭のポスターを見つけた際に、ふと思ったのが「子供の頃に思い描いていた夢」でした。社会人になり、経済面も落ち着いた頃だったので、これはひとつ自分の夢に賭けてみようと。そう思って、その音楽祭にチャレンジしたところ、入賞こそしなかったものの、今のマネージャーからスカウトを受けたんですね。
これは千載一遇のチャンスだと感じ、何とか親を説得しなくてはと思って。結果的にはうまく折り合いがつき、 念願だった音楽に関わる仕事に就くことができたんです。
──Paix²が歌う楽曲の特徴として、心温まるような「優しさ」や、明日から頑張ろうという『勇気』がもらえるものが多い印象です。楽曲づくりで工夫されていることはありますか?
まなみ 実はあんまり意識していないんですよ(笑)。デビューした2000年くらいの頃はアップテンポな曲が流行っていて、最初は自分たちの音楽と世間で流行っている音楽とのギャップを感じていたんですが、Paix²ならではの世界観でコンサートをすれば、私たちのことを覚えてもらえると思い、今のスタイルを継続してきました。
めぐみ デビュー当時から楽曲の雰囲気や世界観は変わらないので、「刑務所で演奏するために作ったんですか?」と聞かれることも多いんですが、まったくそうではないんです。
プリズンコンサートをするようになって、私たちよりも上の年齢の方に聞いてもらう機会が増えたことが、今振り返ればよかったのかもしれません。カバー曲を歌うときも、往年の懐かしい曲を選ぶことが多く、Paix²の楽曲の延長上にあるような雰囲気で歌っていたことも、Paix²が親しまれる要因として大きかったと思います。