森岡×宮本×中田が語る「トルシエ采配の謎」と松田直樹の記憶_g

フラット3の「4人」がカタールW杯に向け現日本代表を鼓舞

熱狂から20年。今は現役引退し選手を指導する立場にある3人は、最後に2002年の経験と20年間の蓄積を踏まえ、今年11月のカタールW杯に挑む日本代表にエールを送った。日本は、スペインやドイツのW杯優勝経験国とグループステージで対戦する。

中田 最初のドイツ戦が大事。今の日本代表は欧州チャンピオンズリーグやトップリーグでプレーする経験値の高い選手が多いですが、僕らの頃は秋田さんや中山さんのようなベテランがいたことがものすごく大きかった。今の代表だったら、長友(佑都)や川島(永嗣)には頑張ってほしい。11人でなく、23人のチームなんですよ。

宮本 2006年W杯でのブラジル戦は、僕は出場停止でしたが、前年のコンフェデレーションズカップとは目の色が違いました。ですから今回のW杯でドイツやスペインと対戦することは日本の基準を知る上で力を測れる絶好の機会だと思います。

森岡 元選手からしたら、うらやましい組に入ったと思いますね。1勝1敗1分以上でグループステージを突破してもらいたいです。2002年は大会に向けて協会のマッチメイクも含めて絶妙だったので、いい空気をどんどんつくってほしいです。

そして3人の後ろにいる背番号3からも、何か聞こえてくる。松田も何か最後に言いたいようだ……。

“やるのは俺たちじゃん。サッカーが好きだったら、最高の舞台でそれを思いっ切り表現しようぜ。どこが相手だってやれるよ! 勝てるよ、絶対に勝とうぜ!”

これは生前の松田に数度の取材機会を得た筆者の想像ではあるが、彼ならそんな言葉を口にしそうである。

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文/寺下友徳