「厄介オタク」「ピンチケ」がおこなう恐るべしストーカー行為
「メンバーへのつきまとい行為厳禁のお願い」
人気アイドルグループ、乃木坂46の所属事務所が公式サイトにこのようなタイトルの投稿をおこなったのは2月14日のバレンタインデーのこと。
たび重なる注意喚起にもかかわらず、事務所周辺やライブ会場、リハーサルスタジオなどで待ち伏せ、メンバーに接触する「つきまとい行為」が後を絶たないため、「今後は当該行為について、発生次第直ちに警察に通報の上、関連法令に則り、然るべき対応を行う」とアナウンスした。
ファンの応援あってこそのアイドル。所属事務所にすれば、できればファンに向けてこんな警告はしたくなかったはずだ。なのに、この厳しい宣告――。
事務所関係者が警告をおこなった経緯をこう明かす。
「一人二人ならまだしも、最近ではメンバーの最寄り駅や自宅などにもストーカーめいたファンが群れで押し寄せ、待ち伏せをするようになったんです。これ以上はメンバーの安全を確保できないと判断し、今後は警察への通報などを含め、厳格な対応をすることを宣言したというわけです」
女性アイドル業界ではこうした「つきまとい行為」を繰り返すファンを「厄介オタク」、「ピンチケ」と呼び、その対応に頭を悩ませているという。このような迷惑ファンの実態をアイドル業界に詳しいアイドル雑誌編集者がこう説明する。
「ピンチケとはAKB48の劇場で中高生向けに割引販売されている“ピンク色のチケット”の略称です。このチケットを買い求める若いファン層にトラブルを起こす人が多かったため、アイドル業界では迷惑ファンのことをピンチケと呼ぶようになりました。
私が実際に取材中に見聞きした“つきまとい行為”は、『自宅に何度も押しかける』『ベランダによじのぼって下着を盗む』『誕生日にケーキを持って待ち伏せをする』『同じマンションに住んで郵便物を盗む、自宅に転送させる』といったケースがありました。
こうしたファンが厄介なのは出禁などの対応措置をとると、さらにつきまとい行為がエスカレートすること。あまりにも執拗なので、最後は警察に頼るしかないのが実情です」