大谷のタレコミがない理由
週刊誌で芸能スクープを数々とってきたベテラン記者も、今回のサプライズ結婚には舌を巻いたという。
「日本にいたころから彼を追ってきましたが、スキャンダルはおろか、チームメイトと遊んでいる姿もいっさい見たことがありません。
メジャーへ行く前に一度だけ、よく芸能人やアイドルが集まるラウンジに『大谷くんが来る』という情報があったので張ってみましたが、別の野球選手は何人も来たのに大谷くんの姿はなかったですね。おそらくアテンダーが大谷選手を“エサ”に女性を集めていたのでしょう」
この記者は大谷が渡米後、現地で日本人が集まるラウンジやバーなどを聞いて回ったというが、浮ついた話はここでも一切なし。くわえて最近では“週刊誌の資金力不足”も逆風となっているという。
「ひと昔前の週刊誌なら、渡米してでも彼の取材を続ける記者はいたかもしれない。でも今の週刊誌は人件費や経費にそこまでの余裕がない。
それどころか、国内のスキャンダル取材でも、相当なアテがないかぎりはろくに張り込みもできなくなった。土地勘もなく、現地の警察に怪しまれる可能性も高い海外だと、なおさら難しいですね」
反面、現在、週刊誌業界の情報源はタレコミによるものが多くなっているという。記者は「それが逆に今の週刊誌の弱さだ」とこぼす。
「みなさんよく勘違いされますが、タレコミに対して週刊誌側が大金を支払うことは今の時代ほとんどない。それなのになぜタレコミがあるかというと、単純に怒り、恨みや妬みによる部分が大きい。
特に“熱愛”ネタは有名人のお相手側が周囲にひけらかして、ひんしゅくを買ったり、ひどいフラれ方をした元恋人が直接タレこんできたり、デートで訪れた店やタクシーで横柄な態度をとったことから、店主や運転手が情報提供をしてくる場合もある。
大谷くんに関しては、そういった類のタレコミは一切なかった。つまり、それだけ周囲に恨みを買っていない証拠です。そして“タレコミ至上主義”となっている今の週刊誌において、彼のような人物の情報をキャッチするのは極めて難しくなっているということです」
スクープ記者にとって大谷は“最も割が合わない”対象といえそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班