膝をマッサージするのでなく、内ももの中心をほぐす

膝痛に悩む人は仙骨座りをせず、椅子に深く腰をかけて骨盤を立てるようにする、正しい座り方を心がけましょう。
また、膝痛がつらい人におすすめのセルフケア方法を紹介します。

まず皮膚と筋膜の癒着をとって、筋肉を動きやすくしましょう。
ポイントは伏在神経の周辺の内ももをほぐすことです。
ほぐす場合は椅子やベッドに座った姿勢もしくは、あぐらをかいた姿勢で行ってください。

1 内ももの真ん中周辺の皮膚を親指と人差し指を使って、上に持ち上げていきましょう。ここで伏在神経が圧迫されていたり、トラブルがあったりする人は、とても痛みを感じるかもしれません。この方法で皮膚と筋膜との癒着をはがしていきます。その際は、痛みが出ない範囲で行っていただければ大丈夫です。


2 次に下図の場所に両手の人差し指、中指、薬指を当てて、横方向と縦方向に30秒〜1分ほぐしてください。同じく伏在神経が圧迫されていたり、トラブルがあったりする人は、痛みを感じると思います。ここも痛気持ちいい程度の圧でほぐしていただければ大丈夫です。

つらい膝の痛みの原因は座り方にあった? 温めてもマッサージしても治らない膝痛のためにほぐすべき意外な部位_3
画像提供/GENRYU綜合整体

最後に伏在神経の周辺をほぐしましょう。

3 先ほどほぐして頂いた場所から、上下(とくに下にずらした場所が固くなっています。)に指を3本ずらして、同じように横方向、縦方向に30秒〜1分ほぐします。

つらい膝の痛みの原因は座り方にあった? 温めてもマッサージしても治らない膝痛のためにほぐすべき意外な部位_4

神経周りなので、あまり強い力でほぐさず、優しく指を動かすようにしてください。

また、デスクワークの時間が長い人は仙骨をほぐすケアも一緒に行うのがおすすめです。
仙骨は骨盤の中心(尾てい骨の少し上)に位置します。
仙骨の中央は少し出っ張った形状になっていますので、左右に指を1本ずつずらして触ってみてください。おそらく、膝に痛みがあるほうの仙骨に硬さや痛みを感じると思います。

つらい膝の痛みの原因は座り方にあった? 温めてもマッサージしても治らない膝痛のためにほぐすべき意外な部位_5
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痛みがあるほうの仙骨に両指を3本(人差し指、中指、薬指)あてて、横方向と縦方向に30秒〜1分ほどほぐすことで、仙骨の硬さが改善することが期待できます。

お風呂上りなど体が温まっている状態で行っていただくのがおすすめです。

膝痛がつらいと、歩いたり出かけたりするのがますます億劫になってしまい、そのことによって、生活習慣病やほかの症状を引き起こす原因になってしまいます。

膝に痛みを感じたら、内ももから膝の内側を軽くほぐすようしてみてください。

ただし、歩けないほど強い痛みやしびれが続くようなら、早めに整形外科を受診しましょう。


取材・文/百田なつき