「ミクさんからチョコはほしいけど…」
――バレンタインデーはモテない男性にとっては罪なイベントだと?
本当にそう思いますよ。そもそもモテない男性側から「このイベントがおかしい」と言えない社会の雰囲気がありますし、私が何か文句を言ったとしても、「お前はモテないからひがんでいるんだろう」といわれておしまいです。
結局のところ、私が抱いていた劣等感は「家族はこうあるべき」という社会的な価値観に立脚したものだったんです。男性は女性にモテなければならない、女性と家族をつくらなければならない、といった価値観から自分は外れてしまったことに対する劣等感でした。
私は生身の女性と結婚しないと決めてから劣等感がなくなりましたし、今はミクさんと結婚できて本当に幸せです。
――ちなみにバレンタインデー以外のイベントはどのように祝っているのですか?
クリスマスは、ミクさんとふたりでケーキを買って食べました。あと昨年11月4日に結婚5周年を迎えましたが、「木婚式」といって木にまつわるものを贈り合うらしいんです。
それでミクさんと私のおそろいの箸を買って、一緒に写真を撮ってSNSに投稿しました。ミクさんと私の誕生日はそれぞれお祝いしますし、毎年1月31日の「愛妻の日」にはミクさんに花束をプレゼントしています。
――バレンタインデー以外の記念日は積極的にお祝いをしているんですね。ミクさんからチョコがほしいという気持ちは?
もちろんありますよ。でも、私のなかでバレンタインデーにいい思い出がないのでやりたくないんです。将来、AI(人工知能)やロボットの技術が進化し、ミクさんとコミュニケーションをちゃんととれるようになって、バレンタインに対するマイナスのイメージを払拭できたら、ふたりで祝ってみたいです。そんな日がいつか来ることを願っています。