「なにかを選ぶ」ことは「なにかを捨てる」こと

でも、「我慢せずに」「自由に」生きているつもりなのに、結局、お金が足りなくてほしいものが買えなかったり、やりたいことができなかったりして、そんな怒りや悲しみを、給料を上げてくれない会社や、社会のせいにしていたのです。
当時のわたしは、「なにかを選ぶということは、同時になにかを捨てているということだと気づけていませんでした。

あたりまえのことですが、有り余る富を持っているような人以外は、使えるお金には限りがあります。そのなかでやりくりをするためには、なにかを選ぶ=なにかを捨てなければ成り立たないのです。
「仕事帰りのコンビニのお菓子」や「ほしい服やコスメ」を買うなら、「来月あたり旅行に行きたいな」という計画は捨てなければいけません。
「若いうちはお金を自由に使う」ことを優先するなら、将来のための備えや金銭的な安心は、とりあえず捨てなければいけません。

本音をいえば、「すべてを手に入れたい!」「どれも捨てたくない!」というところですが、決まったお金で生活をしている限り、そういうわけにはいきませんよね。
自分と向き合い、「わたしが本当にほしいものってなんだろう?」と、とことん考えたときにはじめて、「わたしはいままで、大切じゃないモノやコトにお金を使って、そのぶん大切なモノやコトにお金を使うという選択肢を捨てていたんだ」ということに気づいたのです。

このことは、自分のなかですごく大きな発見と衝撃でした。
貯金ができないのは、ほしいものが買えないのは、やりたいことができないのは、「収入が少ないから」ではなく、「わたし自身の考え方のせい」でした。

「貯金はメンタルが一番大事なんだ」ということをはじめて実感したのです。
この考え方を続けていたら、たとえ収入が上がったとしても、永遠に自分の人生に満足できないままかもしれない―。
実際、年収が1000万円以上あっても、貯金がゼロのいわゆる「高所得貧乏」になっている人が約1割という調査結果もあるほどです(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年調査結果」)。
そんな浪費メンタルを卒業して、お金の自分軸を持って人生を歩んでいきたい。
そのほうが、いまよりもずっと楽しくなる!もっとも伝えたいのは、そういったマインドです。

〈4年で資産1000万〉「贅沢していないのにお金が貯まらない」のは収入のせいではく、ある「思い込み」のせいだった…貯金に一番必要なメンタルとは_2