使わない「自分ルール」が自然に身につくテクニック
ここでは「変動費」の節約テクニックをお伝えしていきます。
あらためて「変動費とはなにか?」を下にまとめました。固定費との違いもわかりやすいように、「固定費」のまとめも念のために入れています。
ここでは、説明用にあえて勘定科目を細かめに分類しているので、自分が管理しやすいように、もう少しざっくりまとめてしまっても構いません。固定費は原則的に一定なので、月ごとに支出を仕分けて計算する必要はありませんが、変動費は科目が多いほど「この支出は◯◯費で……」と考えて分類するのが面倒になります。
ですので、支出状況により、例えば娯楽費を交際費と一緒にしたり、被服費を美容費とまとめたりするなど、自分なりのルールを決めていきましょう。
逆に、現状における毎月の浪費額が大きくて節約の重要度が高いなら、より細かく個別の科目を立てたほうがいいと思います。
例えば、外食が浪費のおもな原因になっているなら、食費を外食費とそれ以外で分けたほうが、支出の状況が把握しやすくなることは間違いありません。
①「ついで買い」「乗せられ買い」の罠にハマらない買い物のコツ
「まったく買う気がなかったものを、つい衝動的に買ってしまった」
そんな浪費が頻発する場所は、たまに行くデパートやファッションビルよりも、むしろ日頃通っている食品スーパーです。
自炊をしようと食材を買いに行ったのに、入口に並べてあるお惣菜や菓子パンがおいしそうで、割高でも思わず購入。あるいは、試食販売のお姉さんのトークスキルに乗せられて、買う予定のなかったウインナーを3パック買ってしまうといったことは誰にでも経験があるのではないでしょうか。
もともと意志が強くて、どんな誘いにも揺るがないタイプの人であれば問題ありませんが、わたしはすぐにホイホイ乗せられてしまう、いわゆる〝チョロい客〞でした。
こういう買い物は、自分の意志で買っているのではなく、店舗の販促マーケティングに踊らされているということ。お店側は、「この位置で、この価格で、こんなふうにアピールをすれば必ず客は買いたくなるはず」と狙って販売しているわけですから、わたしはまんまとその戦略にハマっているのです。
そんなマーケティングやPRのプロたちの戦略に抗うために、わたしが実行したのは、「買い物は週1(土曜日)にする」こと。そして、「見たら負けの精神」を持つことでした。
まず、買い物に行くのは週に1回、土曜日のみと決めました。わたしの場合は、近くのスーパーが車で行く距離にあるということもあり、車で出かけて1週間分の食材をまとめて買い込みます。平日の仕事帰りは心身ともに疲れていて、お腹も空いています。仕事で嫌なことがあれば、ストレスも溜まっているでしょう。
そんなコンディションが悪い状態でスーパーに行けば、ついついお菓子やスイーツ、楽チンなお惣菜を買ってしまって当然です。
だから、金曜の夜にグッスリ睡眠をとって、心身のコンディションがいい、休みの日の土曜日に買い物に行くという作戦にしました。
そして実際の買い物では、事前に「買い物メモ」を作成し、メモに書いた商品だけをカゴに入れていきます。買い物メモの内容がすべて揃ったら、お惣菜売場やお菓子コーナーなど、誘惑の多い場所を通らないコースでレジに直行。YouTubeや本書では、さんざん節約マインドを語っていますが、わたしはもともと意志薄弱なタイプ。目にしたら買ってしまうので、「とにかく見ない」ことにしたのです。
「優先順位」や「自分軸」の話をしてきましたが、ここでも大切なのは、スーパーに行く、食材を買うという行為を自分のなかでどう位置づけるかです。
わたしのやり方は節約を最優先に考えたものですが、「買い物を楽しむこと」や、「少し割高になっても、調理時間を短縮して別のことに時間を使いたい」という部分の優先順位が高いのであれば、売り場をくまなく見て回ったり、時短アイテムを活用したりするのもいいでしょう。
ここでも、自分のなかでの「優先順位」の考え方が、大切になってくるのです。