100枚以上の怪文書と解説から見えてくるストーリー
––––考察型展覧会『その怪文書を読みましたか』(以下、怪文書展)は、どのような経緯で企画されたのでしょうか。
梨 私としては、渋谷でホラーイベントをやるということで株式会社闇からお声がけいただいたのがはじまりです。この時点で、会場は決まっていたんですよね?
高木慎太郎(以下、高木) そうですね。「マイラボ渋谷」という場所でやることが決まっていました。
梨 行ってみるとスクランブル交差点からすぐの立地で、その場所をうまく活用できたらすごくおもしろいイベントになるだろうと考えました。そこで、「怪文書」というモチーフを思いついたんです。
というのも、渋谷は壁や自動販売機などにグラフィティがよく描かれていたり、ステッカーが貼られていたりする街ですよね。その流れで、街の一角に不気味な貼り紙がバーっと貼られている光景をつくれたら、渋谷を歩く人たちを嫌な気持ちにさせられるんじゃないか、と。
–––会場はガラス張りになっていて、その一面に怪文書が貼られていましたね。
梨 そうなんです。展覧会を見に来た人だけでなく、通りかかった人も「なんだこれは」と二度見していたようです。
–––「考察型展覧会」とコンセプトを掲げていますが、これはどういうことなのでしょうか。
梨 会場には100枚以上の怪文書と解説があって、それを見るだけでもおもしろいんですが、断片的な情報を集めていくと何らかのストーリーが見えてきて、より怖くなる仕掛けをつくりました。