島で一番「美味しかったもの」「マズかったもの」
――成功したサバイバル料理の中で、特に美味しかったものはなんですか?
やっぱりブダイ(スズキ目ベラ亜目マダイ科の海水魚)の塩焼きとか、ヤシガニかなー。ただ直火で焼くだけなんですけど、それも美味しかったですね。あとはタコ。逆に、ウツボは美味しくなかった......。ヌメヌメしてて、頭をいくらたたいても気絶しないんですよ。それでもなんとかさばいて食べると、すごく硬くて......。ヘビは食べたことないんですけど、おそらく食べたらこんな感じなんだろうなっていうような。あれはマズかったなー。ただ、タンパク質を摂取するためにも、栄養分としてきちんといただきました。
――それは食べたくないですね。ほかに脱出中に一番つらかったり、危険だったできごとをあげるとしたら?
40°Cを超える気温と日差し! まったく逃げ場がなくてカンカン照りの中、ずっと作業するのは本当につらいです。水も十分にない状態で日焼けもして。島にいるときはヤシの木とかあるので、日陰とか飲み物とかはまだなんとかなるんですよ。でも、イカダで海に出ちゃうと一切さえぎるものなし! 島を出てから脱出成功するまで7~8時間漕ぎ続けますからね。海水で体を冷やしても、海水が乾いて塩になって日焼けした肌を刺激してくるという悪循環......毎回恐ろしいと思いながらも割り切って脱出しています。
――自分が子どもの頃にこれをやっておけば、サバイバルにもっと活かせたかもしれないと考えるものはありますか?
僕、勉強の中でも「理科」だけがちょっと苦手だったんですよね。もっとがんばって星の回る方向とか、雲の流れとかがわかっていたらなと思いますね。高校生の頃、天気に興味を持って天気図とかを描きはじめたんですけど、小学生のときにちゃんと勉強していたら、もっとすんなり入っていけたかなと思います。でも、嫌々勉強しても意味ないですからね。興味を持ったときが勉強をはじめるタイミングじゃないですか。
全国の少年少女諸君には、まずは興味を持てることを探すために外で遊んだり、本を読んだりしていろんな体験をして世界を広げていってほしいです。外を駆け回っているうちに虫や草花に興味を持って、自分で食べられる虫や植物がわかるようになるかもしれないですよ(笑)。