姑息すぎる…「リモートワーク詐欺」の悪質手口とは?
X氏は20代男性で、週3日のアルバイトスタッフとして雇用。月曜はオフィス出社してもらい、それ以外の2日間はリモートワークという契約だ。
「最初の1か月は、一応は働いていたように思います。ただ、こちらが指示していることが理解できないのか、それとも物覚えが悪いのか、何度伝えても同じミスを繰り返していたので生産性の低さは感じていました。
新人でも1時間程度あれば十分終えられる業務に3、4時間費やしていたり、リモートワーク日に1日4回提出を義務付けている業務報告も、何度教えても送って来なかったり……。
肌感としては標準的な新人スタッフの3分の1程度の仕事量しかこなせていない印象です。しかし今振り返ると、最初からサボろうとしてできないフリをしていたのかもしれません」
1か月目の給与はきちんとX氏に支払ったというが、問題は2か月目。
結論から言うと、X氏は最低限働いた形跡だけを残してその月の中旬に“飛ぶ”(やめる)のだが、リモートワークで働いたフリをしていた6日分の賃金(約6万円)を請求してきたのだという。
「最初の異変は初週のオフィス出勤日。回線工事の業者が急に来てしまったという筋の通らない理由で出社拒否。2週目も意味不明な理由でオフィス出社せず、3週目のオフィス出社日に音信不通となりそのままバックレたんです。
ただ3週目に飛ぶまでは、リモートワークをしている体裁は取っていました。とはいえ、初月よりもさらに生産性が下がっており、さすがに意図的にサボっているのではないかと疑っていたので、X氏が飛んだ後に、その月の彼の仕事内容を精査したところ、とんでもない事実が発覚したんです。
X氏からの提出物は、ネットの情報を丸々コピペしただけであったり、他スタッフのデータをそのまま流用しただけだったりしたのです。何時間もかけて作ったかのように見せかけていた提出物は、ほんの10分程度で作れるお粗末なものばかり。当然、それらの提出物は使いものにならず作り直す必要があり、実質的にX氏は働いていなかったんです」
オフィス出勤日に出社しなかったのは、リモートワークであれば働いたフリをしてサボることができるが、出勤してしまうと偽装ができないからだと考えるのが妥当だろう。