2023年度(1月~12月)に反響の大きかった記事をジャンル別でお届けする。今回は「ビジネス記事ベスト5」第4位の、ファミマコスメの商品戦略を担当者にインタビューした記事だ。(初公開日:2023年1月22日。記事は公開日の状況。ご注意ください)
「緊急用」から「わざわざ足を運びたくなる」商品展開へ
コンビニコスメといえば、これまで「緊急用」のニーズを意識した商品展開が主だった。
従来品よりも小さなサイズで安価な商品をコンビニ限定として打ち出し、黒や茶、ベージュなど誰もが使いやすいコンサバティブなカラーをそろえた。
しかし、緊急需要を待っているだけでは売上の拡大は見込めない。だからこそ、ファミリーマートは仕掛けた。
「コスメを買うためにわざわざ足を運んでもらうための商品展開が必要だと考えました」と、商品本部日用品・雑誌部の新宅寛史さんは説明する。守りから攻めの姿勢に入ったのだ。
「トレンドを意識したラインナップを前提として、今までのコンビニには置いていなかったような思い切った色展開で話題づくりをしたいと考えました。
コアターゲットは、10〜20代の流行に敏感な若い世代。SNSで常に新しい情報をキャッチアップしていく世代に狙い通りに情報が届けば、『これはバズるのではないか』という期待がありました」
2020年11月、化粧品ECプラットフォーム「NOIN」を運営するノインが開発したコスメブランド「sopo(ソポ)」を、ファミリーマートで買えるコスメブランドとしてデビューさせると、SNSを中心に瞬く間に評判が広がった。