“味変”で新たなファン獲得

かっぱえびせんの商品ラインナップに関しても、時代とともに工夫を凝らしてきたという。

王道の塩味を主軸にしつつ、1986年には季節限定品の「かっぱえびせん フレンチサラダ味」を発売し、1996年には同じく季節限定品の「かっぱえびせん 梅味」を発売した。

1986年に発売された季節限定「かっぱえびせん フレンチサラダ味」
1986年に発売された季節限定「かっぱえびせん フレンチサラダ味」

定番品以外の“味変”商品を出した上記のタイミングでは、いずれも過去最高の売り上げを達成できたそうだ。

「いつも食べていただいている塩味のほかに、季節限定でこうした新しい味わいが楽しめる商品を出すことで、新規のお客さまへと裾野を広げ、かっぱえびせんのファンを増やすことにつながっていると思います。
フレンチサラダ味は今でも毎年発売している季節限定品で、楽しみに待ってくれているお客さまも多いんです。そのほか、ご当地限定のギフト需要を意識したおみやげ商品も開発しています。

広島みやげの定番を目指した「かっぱえびせん 匠海」(広島)や関西でしか味わえない「かっぱえびせん たこ焼き味」、九州でしか味わえない「かっぱえびせん 明太子味」など、各地域限定のフレーバーを見出し、商品ラインナップを拡充することに尽力してきました」

また、直近ではお酒のおつまみ需要に応える商品「絶品かっぱえびせん 瀬戸の塩と帆立貝柱味」を2023年12月に発売した。

「絶品かっぱえびせん 瀬戸の塩と帆立貝柱味」
「絶品かっぱえびせん 瀬戸の塩と帆立貝柱味」

2020年に宅飲み向けの商品シリーズ「絶品かっぱえびせん」の販売を開始したなかで、シリーズ初の試みとなる“ファンとの共創”という建てつけで出した商品となっている。“お酒が大好きなイケオジ”をターゲットに据え、さまざまな意見交換を交わしながら商品開発を行ってきたという。

「ここで言うイケオジというのは“イケてるおじさん”の略ではなく、“仕事を頑張るお酒好きのおじさん”という意味になります。冬の商品にマッチする絶品かっぱえびせんの味をファンの方と考えていったんですが、“商品の知識が豊富でセンスのいい人”ではなく、仕事をしながら日常的にお酒を飲んている一般のお客さまの意見を大事にしようと意識しました」

柚子やエビ味噌、ウニ、かき、たい、生姜、枝豆など、さまざまなフレーバーのアイデアが出た中で、「瀬戸の塩と帆立貝柱味」に収束した。味を決める際にも塩加減や帆立の味わいの強弱など、消費者目線から助言をもらいながら商品化にこぎつけたそうだ。