男一匹宝探しの北陸旅 #1

批判されがちな車中泊の旅をする人が気をつけている“ゴミ処理問題”

普段の暮らしとはまったく関わりのない見知らぬ街で、ふらっと訪ねた店や人が、なぜか心のひだにピタリとはまる。
まるでこの日に訪ねてくる僕のために、長年にわたってそこで待っていてくれたのではないかという不思議な感覚。
車中泊をしながら、自分にとって未知のゾーンである北陸地方を巡る旅をしていた僕が、旅の2日目に出会ったのは、まさにそんな店、そんな人だった。
こういうとき、「ああ、宝を見つけちゃったな」と思うのだ。

その日の朝、福井県丹生郡越前町の“道の駅 越前”に停めた我が車中泊専用カー、スズキ・エブリイ号の車内で目覚めた。
昨夜から天気は大荒れ。車は一晩中激しい風雨にさらされ、外気温もかなり下がっていたようだ。
だが、すべての窓に貼った冷気侵入防止用のマルチシェードと電気毛布のおかげで、快適な眠りを確保することができた。

これがあるとなしでは車内の温度は大違い。エブリイの規格で全窓用に作られたキルティングのマルチシェード。反射材を内向きにするか外向きにするかによって、車内の温度を微妙に調整することもできる
これがあるとなしでは車内の温度は大違い。エブリイの規格で全窓用に作られたキルティングのマルチシェード。反射材を内向きにするか外向きにするかによって、車内の温度を微妙に調整することもできる
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休息させてもらった道の駅では、お礼がわりに必ず何かを買うことにしている。早朝なので店はまだ開いていなかったが、この先に必要となる分を見越し、自動販売機でお茶のペットボトルを3本買い込んで、出発。
夜間、車内で過ごすうちに出たゴミは、すべてコンビニで買った食べ物の包装材なので、昨日立ち寄った道の駅近くのコンビニに再び行き、そこのゴミ箱に捨てた。

車中泊旅をする際の大きな課題は、ゴミ処理だ。
今の日本には公共のゴミ箱がほとんど設置されていないので、僕のように車中泊をしながら、つまり生活空間ごと移動するスタイルの旅をしていると、一体どこにゴミを捨てればいいんだ!?と困ってしまう。
何度かの車中泊旅行経験で見つけたコツは、とにかくゴミは溜めず、出たらすぐ捨てること。捨てる場所は、物を買ったお店に設置してあるゴミ箱が基本だ。

大荒れの日本海
大荒れの日本海

車中泊というのは、それをしているだけでなぜか「人様に迷惑をかけるな!」的批判を受けがちなスタイルの旅行なので、こっちはこっちで気を使いまくる。
きっと多くの車中泊愛好家も、多かれ少なかれ同様の意識を持っているのではないだろうか。
余計な批判を浴びて、こんな素敵な旅カルチャーが廃れてしまってはもったいないから。