販売会社は反省の色なしだったが
これは、一時期流行っていた危険ドラッグの流布と同じ流れだという。危険ドラッグは指定薬物の化学構造式の一部を変え、麻薬や覚せい剤と同様のドラッグでありながら、法の網をかいくぐっていた。
「指定薬物と基本の骨格が同じであれば即禁止となり、危険ドラッグは減っていった。ところが『HHCH』は骨格は同じではなく、似せて作られた合成化合物。8月に『THCH』という、『THC』に似た骨格の合成化合物が規制されていることから考えると、仮に『HHCH』が規制されてもまた新たな合成化合物が出てくる可能性がある。今後は骨格が似ているものをどのように取り締まるかが課題といえる」(高濱氏)
これだけの社会問題になると、規制化に向けた流れにはなっていくだろうが、そうすぐにとはいかなそうだ。
「実際の健康被害がどの程度なのかについて、データを揃えないと規制化はできない。薬というのは人によって生活環境や体質で効いたり効かなかったりするし、薬を使っている頻度、背景、さまざな条件でのデータをとらないといけないので、相応の時間はかかるでしょう」(高濱氏)
問題となった大麻グミを製造・販売した会社「WWE」について実話誌ライターは言う。
「故意でなかったにせよ、このグミで体調不良者が出ているにもかかわらず、会社の代表を務める男性はX(旧Twitter)で、『どうも、話題の大麻グミの人です』『話題のグミはこちら』とのカキコミとともに自社の通販サイトのURLを貼るなど、反省している様子が見られないどころか、むしろこの炎上を『商売のチャンス』と見ているフシすらあった。
彼は11月17日、メディアの合同取材に応じていましたが、『我々は違法なものは売っていない。継続して製造・販売していく』と話しており、今後もHHCHグミによる事故は続いていくのではないでしょうか」
規制や法整備が整うまで、しばらくいたちごっこは続きそうだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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