大麻グミ誕生の背景に大麻取締法改正案?

こうした状況に、元厚労省麻薬取締部捜査第一課長の高濱良次氏は警鐘を鳴らす。

「大麻グミに使われている『HHCH』は大麻由来成分の『THC』に似せた合成化合物です。『THC』はカンナビノイドの一種で、摂取すると高揚感や多幸感を得られたり、リラックス効果を得られるといわれている。他にも幻覚作用や記憶障害などの効用もある。

『HHCH』は大麻と同様の効用を得られるうえに、所持していても違法ではないが、合法かと聞かれれば私個人としては疑問を感じる。実際に『HHCH』を摂取して身体的に不調を訴えている人がいるわけで、身体への副作用に関しては未知数なので警戒が必要です」

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大麻グミをはじめ『HHCH』を使用した商品が普及しはじめた背景には、11月14日に衆議院を通過した大麻取締法改正案が大きく関係しているという。

「今後、改正案が施行されれば、大麻由来成分の『THC』は所持だけでなく使用も麻薬取締法の対象となり、他の規制薬物と同様に使用罪が適用できるようになる。

一方、改正案が施行されても『HHCH』は違法とはならないため、“逮捕を避けられる、化学的に作られた規制対象外のカンナビノイド”をうたい文句に売り出していた」(高濱氏)