「カバンの中にいっぱいグミが入っていた」
祭りに参加していた男性(30代)は今回の騒ぎに驚きを隠せない。
「その日は友人が祭りのステージでライブをするので参加したんですけど、たしかに白杖をついた中年の男性は見かけました。その男性は周りの人から『大丈夫ですか?』『こっちですか?』と肩を借りながら歩いていましたが、まさかその人だったとは…。
その日はお昼くらいに『グミを配っている人がいるので受け取らないでください』みたいなアナウンスが流れたので、『なに言ってんだ?』みたいな感じだったんですけど、たまたま本部のテントの近くを歩いていたら、3~4人くらいの人たちがテントで横になってスタッフの人に介抱されていました。幸い、みなさん意識はあるようでしたが、『うう...』とうなされてる方もいました。そしたら救急車のサイレン音がして、ほかに参加していた人たちも『どうしたどうした?』と騒然としてましたね」
10年前から祭りで飲食店を出店しているという70代の男性は、今回”大麻グミ”を配った男性についてこう語る。
「騒ぎを起こした人は祭りの常連さん。何度かウチの出店にも来てくれたんだけど『オススメは〇〇(メニュー名)です』って教えてあげると『ありがとうございます』と礼儀正しいし、ちょっと怪しい雰囲気はあるけど悪さをしそうな感じには見えなかったね。あと、本人は『インド音楽が好き』と話していて、よく聞き取れなかったけど、インドの神様の名前をよくつぶやいていたね」
以前から何度も祭りに出店しているという男性(60代)も、騒ぎを起こした男性についてこう語る。
「グミを配った男性はいつも祭りに顔を出していて。白杖をついてるから、周りの人たちから『大丈夫?』みたいな感じで助けられてる光景は何度も見てきた。実行委員会のスタッフも、今回の事件は『周りの人に助けてもらったお礼としてグミを渡していたんじゃないか?』と言っていたね。スタッフは取り調べにも立ち合ってるけど、グミを配った男性は『他の人にもらった』と話していたみたい。でもカバンの中にはいっぱいグミが入ってたらしいよ」
この男性によると、翌日の朝、実行委員会から「グミ事件」について説明があったという。
「正直な話、今回の『グミ事件』については実行委員会もまったく予想してなかったから驚いているみたいよ。それこそ連日、主催者の携帯電話に何十件も着信があったそうだし、X(旧Twitter)でも『はっぱ祭りじゃん』とか『ヒッピーがやってるから仕方ない』みたいに誹謗中傷のカキコミも相次いでいて、実行委員会も嘆いていたな。
もともと『はらっぱ祭り』は1987年から始まった歴史のあるお祭りなんだけど、ここ最近はコロナの影響で人数を絞ってしか開催できなかったから、今年は久々に制限なしっていうんでみんな楽しみにしてたのよ。それがこんな結果になって、グミを配った人には『ふざけんな!』って言ってやりたいよ」
警視庁小金井署によると、この”大麻グミ”を配った男性はグミの配布について認めており、同庁はグミの成分や、配布した目的などについて調べているという。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班