アジアではラルフローレンのシャツが100円で買える!?
また、あまり知られていませんが、実はアジアも古着買い付けのメッカです。
タイやマレーシアあたりに古着の買い付けに行く業者は多いのです。元々途上国への寄付で世界中から集まった古着が余って、格安で売ることになったことから買い付けが盛んになったとも言われています。
寄付品の中には前述したノースフェイスだったり、ハイブランドのアイテムも混ざっており、それらを目指して世界中のバイヤーや古着好きが集まります。ただし近年では取り扱う現地の人たちの目が肥えており、価値をしっかり理解しています。
そのため、以前と比べると少しずつ価格は上昇傾向にあります。筆者が通っていた業社向けの買い付け店では、ほんの数年前まではラルフローレンのシャツが数百円で売られていたりしていましたが(日本に持ち帰って販売すればおよそ5000~10000円ほど)、最近では「どうやらこのマークがついていると高くなるらしい」と認識しているようで1000~1500円ほどの値付けがされていました。
しかしながら古着のバブアーが2000円ほどで手に入ったり、バーバリーのコートが3000円なんてことも。これらはナイトマーケットなど一般の人が出入りする場所でも買えますし、業者向けに展開している古着倉庫も実は個人で購入が可能です。しかも1点から購入可能なところが多いので、多くのタネ銭を必要としません。旅行のついでに買い付けをしてくるなんてことも可能です。
ただし注意点が一つ。
買い付けたものをスーツケースに入れて持ち帰る悪質バイヤーが多いのですが、実はこれは関税逃れになってしまうので違法行為です。筆者は海外仕入れの際は正規のルートでシッピングをしていますが、関税やシッピングの費用などは相応に高く原価が跳ね上がってしまうので、これを避けようとするバイヤーが多いのが現状です。
個人だとグレーゾーンでやっている方も多いですが、明らかに適法行為なのでお忘れなく。
転売の是非を明確に線引きするのは大変難しいですが、個人的にはやはり「愛ある人が触れてくれる文化」であるとよいですね。投機目的のおもちゃに成り下がるのは服好きとしては悲しい限りです。
文/MB