他人や環境のせいにするのは、できない人の言い訳

でも、振り返って思います。

音楽をつくるのに、環境なんて何でもいいんです。

高価な楽器ならいい曲ができるわけではないし、立派なスタジオだから急にテクニックが上がるわけでもありません。

大切なのは「時間」と「やる気」 です。

思えば、アマチュア時代の年間作曲数3〜4曲とか、デビュー後の売れない時代の年間作曲数20〜30曲なんて、単純に甘かった! 頑張っているうちに入りません。

逆にいえば、たったこれだけの作曲数で、自分に才能があるとかないとか、悩まなくてもよかったんです。

「他人や環境のせいにするのは、できない人の言い訳」 だったと、いまだからわかります。

でも、そういうことに気がつくのに、ずいぶん時間がかかりました。

当時は、「自分はものすごい才能のある、選ばれた人間」だと思いたかったからです。

「俺には、神様から与えられた才能があるはず」

「曲は降ってくる。整った環境の中で曲をつくっていたら、神様がチャンスを与えてくれる」

こんなふざけたことを考えていました。

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