G7議長国のリーダーシップを意識?
ガザ地区の情勢緊迫化を受けて、岸田文雄首相も連日、EUのフォンデアライエン欧州委員長やエジプトのシシ大統領など周辺国首脳と電話会談を行うなど、対応に追われている。
全国紙政治部記者は、首相の対応をこうみる。
「連日、外務省幹部と面会するなど、刻一刻と変わる情勢に対応していますが、外相も長く務めた『外交の岸田』を強く意識し、G7議長国としてのリーダーシップをアピールしたい気持ちもあるのでしょう」
岸田首相はこれまでも外交において、国内外へのアピールを意識してきた。3月には、ウクライナを電撃的に訪問し、ゼレンスキー大統領と会談。
「岸田首相以外のG7各国首脳はすでにウクライナを訪問していた。首相の地元・広島で開催されるG7前に、なんとしても訪問すべく極秘裏に計画を進め、実行しました。
親イスラエルの米国・バイデン大統領やドイツのショルツ首相はすでにイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談しています。こうした他国の対応も意識しつつ、自身の存在感をアピールしていく考えでしょう。
責任の所在は不明ながらも、ガザの病院で大規模な爆発が起きるなど、当地の死傷者は増える一方で、イスラエルへの国際的批判も強まっています。日本の立ち位置は難しいところですが、ガザへの人道支援ならば即決しやすく、アピールにもなったといえます」(同)