映画に詳しくなりすぎないように心がける!?
──中島さんはアカデミー賞授賞式のレッドカーペットのレポートやWOWOWの「中島健人の今、映画について知りたいコト。」などでスター俳優や映画関係者の取材をされています。そういった経験が、俳優・中島健人の力になっていると感じることはありますか?
『おまえの罪を自白しろ』の照明の藤井勇さんは、是枝裕和監督の『万引き家族』(2018)で第42回日本アカデミー賞最優秀照明賞を受賞した方で、以前、取材でお世話になったことがあるんです。やはり面識がある方がスタッフにいるといいですね。「健人をいい光で照らしたい」と言ってくださってうれしかったですし、そういうつながりが太ければ太いほど、チームの結束は強くなっていくのかなと思いました。
──取材でつながりが増えていきそうですね。
そうですね。でも俳優をやる上では、あまり詳しくなりすぎてもいけないと感じます。人にもよると思いますが、僕の場合は、製作側のことを知りすぎてしまうと、現場でいろいろなことが目について、あれこれ意見してしまうかもしれない。
河瀬直美監督が「映画はひとつの体だから、一箇所でも主張が強いと体のバランスが悪くなってしまう。だから全体的に均一になるよう、それぞれのパーツの最適を考えている」とおっしゃっていて、なるほどと思いました。その言葉を忘れないようにしています。
──さまざまな世界の映画監督にも取材されていますが、一緒に仕事したい、この監督の現場を見たいと思う人はいますか?
Netflixドラマ『BEEF/ビーフ〜逆上〜』(2023)など、ハリウッドでも活躍している監督のHIKARIさん。アメリカで活躍の場をどんどん広げていてすごいですよね。あとNetflixの『ONE PIECE』(2023)に出演している(新田)真剣佑のことも誇りに思います。続編があったらエネル役で出演したいなあ(笑)。
現場を見たいと思うのはクリストファー・ノーラン監督。『TENET テネット』(2020)のときに対談させていただいたのですが、ノーラン監督はリアルを追求する方なので、その現場を一度見てみたい。日本で撮影してくれないかなと思うし、できれば出演もしたいです。
取材・文/斎藤香 ヘアメイク/小宮山由佳(IKEDAYA TOKYO)スタイリスト/柴田拡美(Creative GUILD)
中島健人 なかじま・けんと
1994年3月13日生まれ。東京都出身。2011年にSexyZoneとしてCDデビュー。俳優としてドラマ『生まれる。』(2011/TBS)、『黒服物語』(2014/テレビ朝日)『彼女はキレイだった』(2021/NTV)『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』(2023/テレビ朝日)。映画『銀の匙Silver Spoon』(2014)『黒崎くんの言いなりになんてならない』(2016)『心が叫びたがっているだ』(2017)『桜のような僕の恋人』『ラーゲリより愛を込めて』(2022)『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(2023/声の出演)。最新作はHuluオリジナル海外ドラマ『Concordia(コンコルディア)』(仮題)が2024年配信予定。
『おまえの罪を自白しろ』(2023)上映時間:101分/日本
政治家一族の宇田家の長男・晄司(中島健人)は、建設会社を設立したが失敗。スキャンダル渦中の国会議員の父・清治郎(堤真一)の秘書になる。ある日、一家の長女・麻由美(池田エライザ)の娘が誘拐される事件が発生。犯人からの要請は身代金ではなく清治郎に「明日の午後5時までに記者会見でお前の罪を自白しろ」というものだった。それは国家を揺るがす“罪”。姪の命を助けるため、晄司は行動に移すのだが……。
10月20日(金)より、全国ロードショー
配給:松竹
©️ 2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/omaenotsumi/