時は止められないけど、時を残すことはできる
──『おまえの罪を自白しろ』の撮影では、主演俳優として座長的な意識で臨まれたのでしょうか?
これまで共演者は同世代が多かったけど、今回は年上の先輩俳優たちとの共演。映画界のレジェンド俳優が揃っていたので座長という意識はなかったです。同世代の共演者なら「みんなで頑張っていこう」とリードしていたと思いますが、この映画の共演者はみなさん自立した大人の俳優ですから、僕は主演としてしっかり立つことを考えていました。
でも、できれば差し入れをしたかったですね。いつもはカフェカーでオムライスの差し入れをするのですが、撮影が猛暑の夏だったのでできなかったんです。でも堤さんからカフェカーでカフェラテの差し入れがありまして。先越された〜と思いました(笑)
──これまでとは一味違う、シリアスな作品に出演したことは、中島さんにとってどんな経験でしたか?
「20代も30代も意識は変わらないよ」という先輩もいるのですが、僕は20代の表情を作品として残したいという気持ちがあります。時を止めることはできないけど、残すことはできるし、それができるのが映画ではないかと。そういう意味でも今の年齢で、この映画に出演できたのは大きかったです。
──本格的に大人の俳優へと歩み始めたのですね。
アイドルの仕事をしていると、すごく若い気持ちでいられるんですよ。でも同じ年の友達は、警察官、消防士、コンサルタントなど、それぞれの職業で自分の人生を歩んでいて、年相応にすごく大人でしっかりしています。
若い気持ちでいるのも大切ですが、その一方で年相応の感覚は身につけておきたいし、芸能界にいながら社会との結びつきも意識していきたい。そういう気持ちにさせてくれたのは『おまえの罪を自白しろ』ですし、この気持ちを忘れずに芝居をしていきたいです。