「威圧的な人」とうまく付き合う方法とは
コミュニケーションのコンサルタントという仕事をしていると、「威圧的な人がいるのですが、どのように接したらいいでしょうか」というご質問を受けることが少なくありません。
まずは、それが学校や組織や職場などでの出来事でしたら、あなたに対するパワハラになっていないかを、慎重に確認することが先決です。
コミュニケーション上の対処法などについて考える前に、その威圧的な人があなたの心身を疲弊させ、実質的な症状が体調面に出ている場合には、すぐに専門家のサポートを受けていただきたいと願います。
ただ、そこまでではないけれど、イライラとしたり、毎回、嫌な気分になるという方には、「威圧的なものの言い方をする人」への対処法の一つを紹介いたします。
それは、威圧的な人の許し難い態度と本人が話している内容(情報)を、切り離して考えるという方法です。
というのも、威圧的な言い方をする人と話していると、そのネガティブな迫力に圧倒され、畏縮してしまいがちです(そもそも不快ですものね)。
そこで、相手の威圧的な態度(言い方、表情、粗雑で乱暴な所作など)でなく、相手が「こちらに伝えたい言語的な情報」に集中し、まずは相手が伝えようとしている情報をすくい上げ、理解してみましょう。
「威圧的な態度」の部分は、あなたにとって意味も価値もない
そうすることで、相手があなたに最も伝えたいことや、やってほしいことなどが具体的に見えてくるでしょう。その部分に焦点を絞って、その情報に沿って、淡々と頼まれたことや、仕事の業務を遂行してみるのです。
そうです、「威圧的な態度」の部分は、あなたにとって意味も価値もありません。
このように、相手のメッセージを受け止めるときに「威圧的な態度」と「こちらに伝えたい情報」とを切り離し、不用意に傷つかないよう、これら二つの情報を区別する箱を頭の中に用意するイメージです。
さらには、威圧的な態度の相手と付き合う場合には、可能な限り、必要なことだけのやり取りに徹してみるといいでしょう。
「必要なことだけ」でよいのですから、なんとしてでも会話を続かせて褒めちぎらねばとか、面白いネタで笑わせなくてはなどという、余計な思い込みは切り捨ててしまいます。
仕事のうえで、あなたがやるべきことだけはしっかりやり遂げるという姿勢を貫いていれば、最低限の信頼関係は保たれます。
そのうえで、先回りして気の利いた準備をしたり、提案ができれば、少なくとも「言ったことがまだできていないのか」といった文句や不満は、減らせる可能性があります。
また、威圧的な人の中には、自分が相手から威圧的だと思われていることに気づいていない場合もあります。