本塁打数以上に大きかった4番・大山の貢献度 

また、野手で最も高い評価をすべきだと思うのは、大山悠輔選手です。1年間通して、調子がいい時も悪い時も、4番という打順にずっと座り続けました。

チームの打線の「軸」となったという点での貢献度は計り知れません。四球(99個)出塁率(.403)ともリーグ最多でした。今季はホームランが19本で、もしかすると本人は、もっと打ちたかったのではとも思いますが、チームのために1年間、出塁し続けたことは、必ず今後につながるはずです。

大山悠輔(写真/共同通信社)
大山悠輔(写真/共同通信社)

春季キャンプの時から感じていたことですが、大山選手は、技術向上のために、ただ打つ、走る、トレーニングをするのではなく、食事などの違った方面からもアプローチをしようとする意識を持っていました。プロ野球選手として、年々レベルが上がっている証しでしょうし、まだまだ上を目指してほしいと思います。

一方、開幕前に大山選手との「4番争い」が注目されていた、佐藤輝明選手は、持っているポテンシャルから考えると、決していい成績だったとは思いません。

本来は、チームが優勝して打率が2割6分、ホームランが24本ならば、素晴らしいシーズンだったと言っていいのかもしれません。しかし、ホームランを40本打てる力がある選手だと期待しているので、もっと活躍できたのでは…と感じてしまうのです。

そんな中でも、8月以降の打撃は「もっと爆発するシーズンがくる」という印象を受けました。思いきり振って、思いきり飛ばすだけではなく、少しスタイルが変化して、力の抜け具合も変わってきたように見えます。