ペドリに代表される個の力

セカンドレグ、ビジャレアルは本拠地でのリバプール戦、前半を終えて2-0とリードしていたが、勝負そのものは拮抗。どう転んでもおかしくはなかった。 早い話、G・モレーノが復帰し、攻撃の形を作ることができていた。それに引っ張られるように守備も好転。一人の個がモノを言うのが、サッカーの真理だ。

森保監督も、大迫勇也にG・モレーノの万能さを求めている節がある。二人のFWは、タイプ的には似ている。攻撃でリズムを作り、守備のスイッチも入れられる。 しかし、大迫はG・モレーノの域には及ばない。また、Jリーグに復帰する前のシーズンからは得点の気配がなくなった。怖さがないだけに、ポストワークの質も下がっているのだ。

あえて代役候補を探せば、鹿島アントラーズの上田綺世になるか。空間を把握する能力に優れ、動きながらボールを扱うパワー、スピードもある。シューターとしても足が振れるし、そのインパクトはJリーグでは飛び抜けているが…。

森保ジャパンが弱者の兵法で相手をひっくり返すには、まだまだ大会まで個の開発が必要だろう。時に、一つの個が戦術を機能させる。フランクフルトの鎌田大地はヨーロッパリーグでも大活躍しているが、たとえどのような戦い方を選択するとしても、彼のような試合を決められる選手の台頭が望まれる。

森保ジャパンに推したい4人の選手スペインサッカーに学ぶ森保ジャパンが奇跡を起こす「神算」(後編)_1
ブンデスリーガでも確固たる実績を残す鎌田

サッカーは11人のスポーツだが、しばしば個人が戦術を司る。例えば、今シーズンのFCバルセロナはペドリがいる試合、いない試合では雲泥の差がある。それは、リバプールのファン・ダイク、バイエルンのロベルト・レバンドフスキ、レアル・マドリードのカリム・ベンゼマにも同じことが当てはまるだろう。