「おじいちゃんがヤクザ」「組に所属して本部長になりました」

相手によって態度を変えて接する一面は、客として出入りしていたキャバクラでも有名だったようだ。40代のボーイが苦々しく振り返る。

「ウチには週に3~4回くらい来てたけど、とにかく『厄介な客』だった。なにがムカつくって、アイツ一人のときと、(自分が勤務していた店の)社長と来るときで態度を変えるんだよ。一人のときは、女の子に『自分は経営者だ』とかって自慢話ばっかりしてるんだけど、社長と一緒のときはご機嫌取りに必死で、少しでも社長がつまらなそうにしてるとボーイに『おい! なんで俺がドリンク作ってんだよ!』と突っかかってくるんだよね。

まさに『小者』で、自分より立場の弱い人にはめっぽう当たりが強かった。一人のときは酒をちびちび飲むだけで、シャンパンを入れたこともほとんどないから『経営者って話もどうせウソだろ』とボーイにも足元見られてましたよ。最後は出入り禁止になったと思います」

シャンパンを開ける小松容疑者(知人提供)
シャンパンを開ける小松容疑者(知人提供)

年長者の懐に飛び込むのが上手で、成り上がりたい思いが強かった小松容疑者は、自分を大きく見せることに腐心していたようだ。先述の関係者が続ける。

「嘘か本当かはわかりませんが、『池袋で人を使って建設業で稼いでいる』『家が3つある』『おじいちゃんがヤクザ』みたいな話から、『組に所属して本部長になりました』とか言ってたので、ヤクザに憧れてたんだと思います。プライベートではとにかく揉め事が好きで、誰かと誰かが揉めていると聞けば先陣きって動くようなやつなので、仲間内からは評判がよかったんです。仲間の揉め事でも一番に動くわけですから」

仲間から見れば「トラブルバスター」かもしれないが、実際は単なるトラブルメーカーだった。柏でも仕事は長く続かず、柏市内や茨城県土浦市内の店を転々していた小松容疑者は約3~4カ月半年ほど前、斎藤さんが勤めていたキャバクラ店に流れ着いた。2人と交流のある知人が語る。

「瑞希はとても明るくていい子だよ、友達も多かったし。ただ悩みやすい一面はあって、私がいろいろと相談にのっていたこともあった。2人が知り合ったのは瑞希が働いていたキャバクラで小松君が働きだしたからだよ。すぐに『風紀』(スタッフ同士が交際すること)がバレて2人ともお店を辞めたから、小松君は勤めて1ヵ月間ぐらいしかいなかった。

瑞希はもともとこの辺りで飲み歩くのが大好きだったんだけど、ぱったりと飲み歩くのをやめて、昔から仲が良かった連中とも連絡が取れなくなった。小松君の束縛が激しかったんでしょう。瑞希はたしかにちょっと酒乱の気はあったけど、女の子を殴って止めなきゃいけないような状態にはならないと思うんだけど。ほんとかわいそうに……」

ヤクザに憧れる見栄っ張りの「小者」が、笑顔が絶えない女性を死にいたるまで殴りつけた。そこに正しい理屈などない。
#2に続く)

斎藤さんの自宅前には花や飲み物が供えられていた(撮影/集英社オンライン)
斎藤さんの自宅前には花や飲み物が供えられていた(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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