後楽園ホールのリングに立つ意味

――昨年4月から、女優と並行して、キックボクシングを主体とした格闘技『RISE』のラウンドガールとしても活動されています。

生で観戦したとき一発でその面白さにハマってしまって。少しでもいいから『RISE』のために何かできるなら、受付でもリング作りのスタッフでも、もうなんでもよかったのですが、たまたまラウンドガールのオーディションがあるというお話を聞いて。

――ところが格闘家として東京・後楽園のホールのリングに上がるという、“まさか”の展開が待っていました。

本当にまさかでした。自分の強みは動けること戦えることなので、「選手としてリングに立ってみないか」というお話をいただいたのはうれしかったのですが……それでも、ためらいました。

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――宮原さんの経歴があったからこその展開です。

後楽園ホールのリングは選手にとって、“聖地”なので、本当に私がそのリングに上がってもいいのか、本当に悩みました。後楽園ホールのリングに立ちたくても立てない選手やスタッフ、そしてファンの方に対して、恥ずかしくない試合ができるのかどうかを考えるのが先でしたね。

――自信はありましたか?

試合の1ヶ月半くらい前から、プロの方たちと練習させていただいたんですけど、毎回ボコボコにされて。今考えると当たり前なんですけど、不安と恐怖でドン底までおちて、試合の1週間前に、ジムの代表を務める宮城大樹さんの前で、大樹さんが慌てるほど泣いちゃいました(笑)。

――そこからどうやって立ち直ったんですか。

練習相手をしてくださった選手に素直に頭を下げて、アドバイスをいただいたのがひとつ。もうひとつは、試合が終わったら勝っても負けても美味しいものが食べられるんだと、自分の目の前にニンジンをぶら下げたことです。結論として、今も昔もわたしは、ご褒美というモノには弱いんです(笑)。